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体の一部を売買する事で、生計を立てている。

作者: 七瀬
掲載日:2021/10/02








20XX年、この時代では体の一部を売買して生活をしている。

何故なら? ある年から、産まれて来る子の殆どが【奇形児】になり

体の一部が歪な形で産まれてくるようになったからだ。

母体である母親に、問題があるのだが何が問題なのか未だ分からない。

一番に考えられたのは? 遺伝子操作された野菜や家畜の動物達だ!

ある科学者は、地球に何らかの悪い光が流れてきているんじゃないか

と仮説を立てていた。




・・・しかし? どれも当てはまるモノはなかった。

この時代では、“お金の価値は全くなく!” 札束や硬貨を持ってい

ても、ただのガラクタにしかならなかった。

今や、お金の価値になるモノは“人間の体にあるモノだけ”

だから、健康に産まれてきた子供から体の一部を売ると? 

物凄く価値が上がり高額で買い取ってくれるのだ。

お金に価値がないのだから、何と換えるかと言えば?

【食料や雑貨、日常品、何でも換える事ができた。】

良い暮らしをしたければ、健康で若い体の一部を売れば一生

食べて暮らせるだけの暮らしができたのだ。

東京ドーム1個分の一戸建てや高級マンションでの暮らしも夢ではない!

ただ、なかなか五体満足で産まれてくる子供がいない為、年老いた

お爺さんやお婆さんのモノが多かった。

平均年齢も、年々上がりつつあるこの世の中で体の一部を売る事も

難しくなる。

そこら辺には、普通に足を失った老人や片目がない女性、臓器を売って

車椅子生活になってしまった年配のおじさんもいた。

誰もが、“五体満足で健康な者の体の一部を欲しがったのだ!”





普通ではない、この世界で僕はお父さんと二人で暮らしている。

僕のお母さんは、僕を産んでから楽な生活ができるように自分の

体の一部を売っていった。

そのうち、お客さんがつきお母さんの体の一部を欲しがる人が増え

もうこれ以上、体の一部を売ると生きていけない所まで追い込まれる。

それでも、僕やお父さんの為にお母さんは体の一部を売り続けたんだ。

そして、僕が5歳の時に僕とお父さんに看取られてお母さんは亡くなった。






 *




・・・そもそも、何故? こんな世界になったのか?

このままだと、僕のお父さんまで亡くなってしまう。

お父さんも僕に黙って、僕に辛い思いをさせたくない為に自分の体を

売っている。

お父さんは僕の体に傷一つ、つけさせたくないと僕に何度も言った。

だから僕は、14歳というのに僕の体にメスが一度も入った事がない。

キレイで健康な男の子の体なんだ。





だけど? 物凄く僕はお父さんが心配なんだよ!

ある日、お父さんが仕事で2.3日家を空けると言って何処かに

一人で行ってしまった。

その後、約束通りお父さんは家に帰って来たのだけど、、、? 

どこか体の調子が悪いのか、よく息切れをするようになった。

多分、今思えば? 二つある肺を一つ売ったのだろう。

【それが、はじまりだった。】

それから、お父さんは、家をちょくちょく空けるようになった。

家に帰って来るたびに、お父さんの体の一部がなくなっている。



『お父さん、もうやめて! お父さんまでいなくなったら嫌だよ!』

『スマト! これは、お父さんの意志なんだ! もう少しだけ

お父さんに付き合っておくれ!』

『・・・で、でも? お父さん、足も手も目も片方ずつしかないじゃ

ないか! お願いだよ、もうやめてよ!』

『スマト、お父さんが亡くなっても自分の体の一部を売ってはダメだよ』

『・・・お、お父さん、』

『お前の老後の為にもたくさん蓄えておかないとな!』

『・・・・・・』








・・・1年後、優しかったお父さんも亡くなってしまった。

僕は15歳になっていた、お父さんのおかげで僕は体の一部を

売る事なく、健康そのもので今も生きている。

お父さんが自分の体の一部を売ってくれていたおかげで僕は老後まで

このまま行くと生活できるだけのモノを得ていたのだ。




でも、こんな事されても嬉しくないよ。

僕はひとりぼっちなんだよ!

もう、お父さんもお母さんも返ってこない。

いつまで、こんな時代が続くのか、、、? 

体の一部を売らなくても、幸せな生活ができる日を僕は夢見ながら

今も生活している。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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