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二話「破滅フラグが壊せないならいっそ……!」



それから一カ月、自室に閉じこもりうじうじしていた。


いや違うカーテンを閉め切って、部屋の隅で体育座りをして、毛布をかぶって、時々すすり泣いてるだけで、うじうじはしてない。


部屋の隅にうずくまりながら、これからどうすればいいか考えていたんだ。


「僕が破滅フラグを壊さないと……。僕が国外追放になるだけならいいけど……公爵家までお取り潰しにされちゃう……。優しい両親や可愛い妹、公爵家で働いている人たちに迷惑をかけちゃう……そんなの嫌だ」


僕の破滅フラグに周りの人を巻き込めない。家族を不幸にしたくない。


チラリと壁にかけられた剣を見る。


「そうだよ……なんで気が付かなかったんだ……」


剣を手に取り、鞘から抜く。


キラリと光る刃、鋭く尖った剣先。


「斬ったら痛いんだろうな、血が出るのかな、怖いな……」


酷く怯えた顔の自分が剣に映っていた。


怖い、痛いのはいやだ……でも、やらなくちゃ……。


僕が生きていたらゲームの強制力で断罪されて、公爵家が取り潰されてしまう。


「僕が死ねば……破滅フラグを壊せる……そうなれば公爵家は取り潰しにならなくてすむ……」


今ここで僕が自害すれば、被害は最小限に食い止められる……はず。


「みんなごめん……! 先におばあ様の所に行くね……! 幸せになって……!」


痛いし、怖いし、嫌だけど……これしか道はないんだ!


剣を手首に当てる、ゆっくりと刃を引く。


ザクッッ!


「ぎゃぁァァァァああああッッ!! 痛いーーーー!!」


手首を見ると傷口から血が流れていた。


「血だ! 血だーー!! 血が出たーー!!」 


パニックになった僕は剣を投げ捨てていた。僕が投げた剣が花瓶に当たり、そのまま壁に突き刺さった。剣が当たった花瓶は壊れ、中の水がこぼれ床が水浸しに。


壊れた花瓶を片付けようとして、


バキッ!!


タンスの角に足をぶつけた。


「いにゃゃァァぁぁぁああッ!! 今度は足が痛いよ〜〜!!」


足の指を抑え部屋の中をのたうち回る。


ドンッッ!! ドサドサドサッ!!


本棚に背中からぶつかり、本が棚から落ちてきた。


本の角が頭に当たる。


「ぐわぁァァァああッッ!! 頭が割れちゃう〜〜!!」


頭を抑えるとたんこぶが出来ていた。


ぐすん……「僕は一人で死ぬことも出来ないのか……」めそめそ……。




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