十一話「家族のもとへ……」
王宮の応接間に家族が迎えに来ていた。
扉を開けると懐かしい家族の顔があって、皆が泣きながら僕に抱きついてきた。
僕も三年ぶりに家族に会えた喜びで、ボロボロと泣いていた。
「うっ……ひっく……、お父様、お母様、リーナ……会いたかった!」
涙でぐずぐずになった顔で、みんなの頬にキスをする。
「わしも会いたかったぞ……アルビー!」
「わたくしも会いたかったわアルビー! ちょっと見ない間に大きくなって……!」
お父様とお母様が泣きながら僕の頭をなでてくれる。
「ひっく……ひっく……リーナ! 僕の身代わりをさせてごめんね……フラグを壊してくれてありがとう……!」
「会いたかったですお兄様! 水臭いことを言わないでください! お兄様のためなら私は虎の穴にでも、龍の巣にでも、火の海にでも飛び込みますよ!」
リーナなら本当にやりそうで怖い。
「お兄様、また一緒に暮らせますね!」
リーナが僕を抱きしめる腕に力を込めた。ちょっと痛い……僕がもやしなのわすれちゃったのかな?
「お帰りアルビー……!」
「私の息子! もう離さないわ……!」
お父様とお母様も僕を抱きしめる腕に力を込めた。
ちょっと、かなり苦しいかも……皆が歓迎してくれるのは嬉しいけど……僕このままだと……死んじゃう……。
三人が僕を抱きしめる力を緩めてくれた。ホッとして大きく息を吸う。
「お父様、お母様、リーナ、僕のためにいろいろしてくれてありがとう。僕がこうして生きていられるのはみんなのおかげだよ」
家族にお礼を伝えると、三人が号泣した。そして感極まった三人にギューーっっ! と抱きしめられ……今度こそ昇天しかけた。
そんなやり取りを五回ぐらい繰り返し、このままではいつまでも家に帰れないと悟ったお父様が。
「帰ろう、我が家に」
言ってくれた。
僕らは手を繋ぎ馬車に乗り、馬車の中でも家族にハグされながら、僕は三年ぶりに懐かしい我が家に帰った。
次回はリーナ視点です