Episode.60 退職社畜のダンジョンアタック
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ふむ。
どうしたものか。
狩りをし続けるのは別にいいが、目的がないどうにも淡泊になってしまう。狩り目標ってもんが欲しいな。
センリとヤタグロのレベル上げをしたいが、俺がいるとなまじヘイトが向くからな……。
どこかになんかいい感じに切り応えがあるボスいないかなー。
「うい……しょっと!」
『GIiiiigya―――』
一閃。
と、このようにエマキナ付近にいる機械系モンスターも割とサクサク切れてしまう。
抜刀スキルが強すぎるんだよなぁ……機械ならもう少し耐久を見せて欲しいんだけど。
「そっちはどうよ?」
『ニャ(楽勝)』『クァッ(簡単)』
「あ、なんか大丈夫そう」
へぇ~、動物の爪とか嘴って金属貫けるのか……。
多分、武器のお陰だとは思うけど本体の攻撃力も増してきてる気がする。
そろそろ狩場変えるかな。
モンスターもPKもプレイヤーもいないし。
次の狩場は【廃坑道】へ向かおうかと思っている。
急ピッチなレベル上げだが、これもこの二匹をレイドへ連れていくためだ。
うん、ペットとかテイムモンスターを預ける場所とかもなくはないんだけど、料金がたか―――寂しがるだろうからね。
『『?』』
おっと。
で、これから向かう【廃坑道】と呼ばれる狩場はプレイ初期の時に行った【残酷峠】と同じようなダンジョンエリアだ。
場所は【バマル】の街と【エマキナ】の中間ぐらいにある山岳の合間だ。
というのも、山の途中の山道から伸びるようにして存在している脇道にひっそりとあるらしい。
【廃坑道】内にいるモンスターはゴーレム系のモンスターが中心であり、鉱物系アイテムを多く手に入れられる場所だ。
しかし、あまり人気ではない。
だって、ゴーレムだよ?
石、岩、鉄の塊がヒト型を成しているモンスター。
このゴーレム系のモンスターは、防御力が構成されている鉱物に依存するらしく、馬鹿みたいに堅いとかなんとか。
運営は何をトチ狂ったか―――あ、そういえば俺の妹が勤めてる会社だった。じゃあ、しょうがねえか。
で、今はそこへ向かっている途中だ。
「お前も俺を乗せて走れるくらい大きくなってくれよ」
『『………?』』
センリとヤタグロを見ながら言う。
まあ、動物に人の言葉が通じるわけも、なく……?いや、通じてたような気もするけど、まいっか。
頭を撫でると気持ちよさそうに目を細める二匹に思わずほっこり。
こうしてみると普通の動物なんだよなぁ。
さて、どこで教育を間違えたのやら。
やっぱりさ、人間の弱点が首なのが悪いんだ。
チッ!なんで人間の弱点が首なんだ!胴体でもいいじゃないか!そっちの方が楽なのに(モンスター視点)
というわけで、
「とうちゃ~く」
『カァッ』『ニャァ』
ハイ着きました、と。
峠を越え、山を登り、山道を歩み抜けた道の先にあった。
やはり人気がないのか人気は少ない。
うん、だってこのゲームの主流武器、長剣とか大剣とかの刃物だし、石を切りにわざわざこんな山中に来る人なんて滅多にいない。
更に言えば、ハンマーとかバトルアックスとかの叩いたり押し切ったりする系の武器でも中々倒せない。だって岩の塊だもん。
ついでに付け加えれば、魔法の効きも悪い。
………なんで、こんなモンスター作ったんだよ。
てな感じに俺が話してる限り、ゴーレムがクソモンスターに聞こえるけど、狩れる人にとってゴーレムはただのカモ。
そうだなー、例えば、俺の鎧通しのような『鎧通し』とかの防御貫通スキルとか、『採掘』『鉱物特攻』などの鉱物に対してキラー性能を持つスキルを使うとかが有効だ。
でもどっかのどこかにはバイクで轢き潰したり、銃弾で穴だらけにしたり、刀で押し切ったりするやつもいるらしい……そんな奴らいるわけないだろ!(すっとぼけ)
「ほれ、食うか?」
『グアッ(食べる)』『ニャ(食べる)』
「おー、よく食いよるわ」
間食用に買って保存しておいた焼き鳥とかを与える。
喜んで食う二匹。
センリならともかく……ヤタグロ……オマエ、同じ鳥類だろ。それでいいんか?
『カァ(うまうま)』
ん~、機嫌よさそうそうだしいっか。
「んじゃ、突撃~♪」
『ニャニャ』『ガァ!』




