スクリーン
スクリーンを眺めてる君を見ると
あのときの君の言葉を思い出す
「あんな風になれたら、いいのに」
わたしもそう、何度思ったことだろう
目を少しふせて、君の手に軽く
自分の手を重ねた
スクリーン上のかっこいい主人公みたいに
台詞を連ねて、手をとれたらいいのに
知ってるよ、わたしがどれほど強く、思っていても
涙を拭えないって
君の目を見つめて
口に出せずに、思う
「あんな風」にならなくてもいいって
君は君のままでいい
そんな君が大好きだから
何が、どこが、とかそんなのじゃなくて
君が嫌いな君を含めた
君の全てが大好きなんだ
君の深く、深くに沈んでいる
錨をひきあげられたらいいのに
でも、触れるだけで手がとまっちゃって
君が気づいてこっちをむいたって
わたしはぎこちなく、笑うだけ