06.定期的症状
今回はソフィならではのあるある症状です(笑)
「・・・ふぅ」
時計を見れば、刻々と近づくアレ。小さい頃から何十回と経験しているものの、慣れないのだ。あの空間は。
「ソフィのこの感じからして、今日はアレの日かしら」
「そうよ・・・。ねぇ、セレナ。あなたキラキラ好きでしょ?だから私の代わりに・・・」
行きたくないのに、行かなければならない。そんな事実が自然とこの現象(溜息)を引き起こすのだ。
「それ、毎回言ってるわよね。でも残念。あいにく今日は予定があるのよ」
「・・・セレナこそ。それ毎回聞くわよ」
「ふふ」
もはや恒例であるこのやり取りを交わす。意味があるのか?と聞かれたら、それは否だ。けれどもこの会話は、私のやる気度を上げるには必要なやり取りなのだ。
「・・・しょうがない。いや、んん。今日は用事があるからもう帰るわ。またね、セレナ」
「えぇ、また明日。いい?普通の人からすれば大変羨ましいことなのよ?だから、私の為だと思って楽しんでくるのよ」
「・・・・・努力するわ」
こういった日は、いつもより早く帰宅する。すると、玄関にはキラキ・・・私の兄であるハルお兄様が出迎えてくださる。
「お帰りソフィ。今日はあの日だよ」
「分かっております。・・・ハルお兄様、私なんだか頭がいた、」
「さぁ、早く仕度をしておいで」
「・・・ハルお兄様のいじわる」
私が思うに、もしかしたらこういった日の恒例でもあるハルお兄様の出迎えは、私の逃亡(一応するつもりはない)予防なのかもしれない。
部屋に戻り、準備してくれていた侍女のメルに手伝ってもらい出かける準備をする。
ちなみに行き先はパーティとかではない。食事会なのだ。レストランのような場所で。
グランツ家の家族たちと共に。
引き続き次回もよろしくお願いします。