表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/20

地味子と壁ドーン!

ドンっーーではなくドーンっ!!というほうが合っている。


「ねえ、本当にそう思っていたの?」


端正な顔でにこっと微笑む彼。


こんな状況でなければきっとときめいたはず。


「だ、だって君が私にこ、こく、告白なんて……」


「ん?」


「ひぃ!」


思わず目を背けると、彼の足が触れた壁は


少しばかりヒビが入ってしまっている。


壁ドンって足でやるものだっけ?


「そんなタチの悪いことするように見える?」


「ご、ごめんなさい」


「で、返事は? 俺もう一か月待ってるよ?」



そうか、彼に告白されてもう一か月か。


クラスでも人気者でモテる彼がなんで私に告白したのか、


これは私の中では高校の七不思議に認定してもいい


レベルの出来事だったわけで。


あの後何も言ってこなかったから冗談かもしくは


罰ゲームだったと思ってガッカリ……いやいや


ホッとしていたのに!!


まさかずっと返事を待っていたとは。


「あ、あの変なこと聞くけども」


「なに」


「どうして私なんですか」


「え? 長くなるけどいいの?」


え!? 長くなるほどなの!?


「笑顔が可愛いでしょー、いつも一生懸命でしょー、


家庭科の授業見る限り料理上手だし、謙虚だし


真面目だし、背が低い割に胸大きいし、たまーに


ドジやらかすのも可愛いし、毎日花の水入れ替え


率先してやってるの見て優しいなって思うし


それから……」


「ストップ! も、もういいです!!」


途中変なの混ざってた気がするけどこれ以上聞くと


恥ずかしくてたまらない。


私って目立たない部類に入ってると思うんだけどな。


そんな私のこと見てくれてる人がいたなんて信じられない。


「ねえ、こっち向いてよ」


足を下ろし、次は両手をついて壁に追い詰められる。


に、逃げられない……!!


「あ、あの友達からじゃダメでしょうか」


何を言ってるんだ私は。


こんな中途半端ダメに決まって


「いいよ。それでも」


いいの!?


「絶対好きにさせてみせるからね」


もう少しで唇がぶつかるんじゃないかってくらい


近づいて彼はそういった。



ーーだめだ、多分……いや、絶対好きになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ