2 説明
竜。個体差は結構あるが、大体3メートルから10メートルくらい。
角が生えてたり、翼があったり、ヌルヌルしてて、臭くて…
まあ簡単に言えば化け物ですよ!化け物!
この竜っつう化け物を狩るのが俺の仕事でしてね。
ああ、申し遅れました。わたくし「タカダ・オルゲイラ」と言うもので
そう、ヨダレまみれになっていた男です。
大学出て、かれこれ10年ちょっとですかね、この業界に入って。
まあいわゆる「3K」ってやつですよ、この業界は。
「危険、危険、危険」でしたっけ?竜を相手に商売してますのでね、アイツら言葉通じませんし
基本的に人間なんてエサですし…
でもまあ経済面!それはもう、まぁなかなかに稼げるんですよ。竜は。
そんなわけで、どうにかこうにかこの業界にいるんですよ。
竜ってのが稼げる動物だってなったのはここ100年くらいの話でしてね。
それまでは危ない生き物だから、神様の使いって事でノータッチ!アンタッチャブルな存在だったんですよ。
ただある時発見がありましてね。そこから大きく状況が変わっていったんですよ。
竜の脳にはでっかいでっかい余白がある。
どこかのお偉い学者さんが見つけたんですけどもね、竜の知能に比べると、脳の容量が明らかに大きいって話になりましてね。
「頭空っぽのほうが、夢詰め込める」ってわけですよ!
じゃあその余白を利用して、当時これも研究がスタートしたばかりの「コンピューター」の
記憶装置に竜の脳みそを使うようになったってわけなんですよ。
いわゆる「竜脳」ですわね。古い呼び方だと。
まあそこからはとんとん拍子!竜脳コンピューターの登場で世の中のアレコレが
飛躍的に発展しましてね…そうそう!あなたの持ってるケータイ!それだって竜脳ですよ!
通信やら計算やらデータ保存から…もう何から何まで竜脳でいけますよ!!
もう本当に革命ですよ。竜脳は!
まあそんなわけで、竜脳のおかげで世の中変わったんですけど、竜自体も色々と変わってきましてね
世の中み~~んな竜脳欲しがっちゃうから、竜の個体数が激減してるんですわ。
そりゃ昔は竜を1匹倒すのでも苦労してたみたいですけど
ほら、今色々と世の中便利だしね…竜もかわいそうなんですよ…
え?俺?ああ俺はなるべく武器は使わないってスタンスなんですよ。
この前も6メートルくらいの竜が出てきましてね…ええ、そりゃもうこのゲンコツ一つで
やってやりましたよ。やっぱね、身一つで。うん。その方がかっこいいじゃないですか。
体一つで稼いでこその「竜とり」ですよ。
さてと、そんな事言ってる間に時間ですわ。
そうそう、これから慰労会を兼ねた打ち合わせをね。
こじんまりとやりますよ、男二人でね!おっと噂をすれば着信だ。
「あ、もしもし~!センバさ~ん!うん、今から行きますね。は~いじゃあ15分くらいかな」
じゃあ、また。