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働かない男の一週間

作者: 出島優

ある男の話です。

その男は全く働きませんでした。

男の親や友達はみんな男に働くように言いましたが、男は屁理屈をこねて逃げていました。

月曜日には、「月が出てから働くよ。」と言って、夜になると「こんな時間から働けるわけないだろう。」と言いました。

火曜には、「火は燃えたらすぐ消えちまう。勤労意欲も同じなんだよなぁ。」と言いました。

水曜には、「水星の画像を見たことはあるか?あんなカラカラになるまで必死に生きたかないよな。」と言いました。

木曜には、「暗黒の木曜日からは失業者が急増したそうじゃないか。俺はその人たちを慈しんでいるんだよ。」と言いました。

金曜には、「お前正気か?こんな日に働いたらジェイソンから殺されちまうぞ。」と言いました。

土曜には、「土って嫌いなんだよ。土葬を連想しちまうんだよな。」と言いました。

日曜には、「今日は神様ですら休んだ日だ。俺たちだって休まなきゃバチがあたるぞ。」と言いました。

男は本当に何もせずに一週間を過ごしていました。


ある日、そんな男の元に、一人の政治家がやってきました。その政治家は男の口のうまさを見込み、自分の補佐をしてほしいと言ったのです。

政治家の予想は正しく、男は人々に対して、持ち前の饒舌さで政治家の存在をアピールし、結果その政治家はその国の大統領にまで登りつめました。男は大統領補佐になりました。


偉くなった男に、一本の電話が入りました。男の友達が、男と男の両親と一緒に、避暑地に一週間旅行に行かないかと言うのです。

すると男は、鼻を膨らませながらこう言いました。


「おいおい、俺の一週間はそんなに安くないぞ?」

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