イクリプスの姫
幼い頃、現実社会という目に見えない驚異に敗北した少年は、こんななんの取り柄もない惨めな自分でさえも受け入れてくれる優しい世界を夢見た。夢見るうちに、実際にそんな世界に迷い込む。そこで少年は一人の少女と出会う。自分と同じ、独りの少女に。二つの独りは一つとなり、二人となった。彼女は言う、「君ならきっとほんの少しの勇気で、友達がいっぱい出来るよ」と。その言葉に従い、彼は学校で勇気を振り絞り友人を得た。けれども、その報告を、感謝を伝えたかった彼女はもういない。約束の場所に、どうしてもたどり着けない。孤独により逃げた世界の扉は、孤独でない故に閉じてしまったのだ。それから八年間。彼は彼女のいる世界を探し続けた。そしてもう一度始まる。異世界での、数奇な運命が――。
プロローグ「境界線の記憶」
2014/06/22 21:14
(改)
第一章「境界線の向こう側」
2014/06/22 21:20
第二章「覇王行軍前編」
2014/06/22 23:14
第三章「覇王行軍後編」
2014/06/24 23:12