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与える男  作者: geinguns
与える男
96/120

先を越された??

吉田君たちとこのまえ遊んだ公園にいる、与える男と梓。

冬の寒さがピークになる2月。


公園はかなりの寒さだったが2人は気にならない。

ベンチに座る2人。


与える男の手には預金通帳。残高は30万円ある。

この半年間2人が貯めてきた努力の結果がこれだ。


「あなたがパチンコで使わなければ、50万はあったのよねえ、、、」


梓が恨めしそうにつぶやく。


「ごめん、、、また山にでもこもるか、、、」


与える男はすまなさそうに梓に言う。



いろんなことを乗り越え、梓の父さんの許しも得、与える男には

2人の間には何の障害もないように思えた。

目の前に進む道が見えてきたような感じがする。



「半年間で30万かあ。少ないなあ。卒業する4年後には

300万は貯めたいわね。でもそれでも結婚するには足りないんでしょうね」


梓は言葉を続ける。


「でも私、卒業したら結婚したい!どんなに貧乏でも構わない。

ねえ、そうしましょうよお」


「そうだね、それを目標に頑張りたい。2人で協力すれば

できるんじゃないかな」



2人は楽しそうに将来を語り合っている。


すべての物が僕たちを祝福しているような気がする。

こんな安らかな気持ちになったのは初めてだ。


与える男は梓を見つめながらそう考える。









4年後に結婚。







人生の目標ができた与える男は、なお一層の努力を誓った。



ふと見ると吉田君が公園にやってきた。

重い足取り、暗い表情


とぼとぼと与える男と梓のもとへやってくる。



「吉田君、暗いね?どうしたの?」


「どうしたもこうしたもあれへん、、、おれは元気やで

ところでな、2人に報告があってここへ来たんやけど、聞いてくれるか?」



「なあに?どうしたの?」


梓はやさしく微笑んで吉田君に聞く。





「実はな、、、俺、春に籍入れることにしたんや、、、薫と」





2月の風は3人の周りを吹きまわる。

風に吹き上げられる落ち葉を目で追いかける吉田君を

いつまでも黙って見ている、与える男と梓だった。







第10話 完






よくここまでたどり着いた!

ラストのべたべたな終わり方を考えてから

約半年。

まだありますので最後まで付き合ってくださいね!

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