決めゼリフ言います!!
「聞くが、、、君は確かな自信と根拠に基いて、その発言をしたのかね?
人と結婚するってことは、その人の将来に責任を持つってことなんだ。
もし闇雲に今の気持ちだけで言ったとすれば、
それは相手の人に失礼だよ。
さあ、君はどうやって梓を幸せにするか、君自身のプランを聞かせてもらおうじゃないか。」
梓の父さんはさっきの笑い顔はどこかに行き、
真剣な顔。食い入るように与える男を見る。
「僕は、、、
僕は18歳で、まだ大学の一回生です。
だから、一定の収入もない親のすねかじりです。
それに親父も死んでしまったし、これから母親の面倒も見なければいけません、、」
与える男は真正面から、父さんを見据える。
覚悟は決まっているようだ。
「まだ大学生のやつが何いっているんだ!という気持ちはよくわかりますが
僕は梓を幸せにするという自信があります。
だって、、、
だって、僕は与える男ですから!!」
「その決めゼリフ待ってたのよ!!かっこいー!」
そう言うと、梓は与える男の腕に抱きつく。
父さんの顔がぴくっと引きつる。
「与える男になって僕のすべてを梓に与えて僕は死ぬんです。
親父とも墓の前で約束しました。一生与える男でいることを、、
梓を幸せにできる根拠は、見ての通りありませんが
自信だけはあります!
どうか許していただけませんか?」
頭を下げる与える男。
それを見て、大きくうなずく父さん。
「うん、結婚云々に関してはともかく、君という人物はよくわかった。
今日会えてよかったよ。安心して君たちを見守るとしよう。
でも、決して途中で投げ出すようなことはしてはならんぞ!」
「ありがとうございます!」
そう答える与える男の姿は、大人の男のものだ。
「キャーますますかっこいー!」
梓は与える男に抱きつく。ほっぺにキスまでする始末。
父さんの顔が、ぴくぴくひきつる。
「、、、あ、あのなあ、、あんまり娘のそういう姿は
男親は見たくはないもんだ、、、
頼むから、家では自粛してくれんかなあ?」
「す、すみません!!こ、こら!離れろ!」
あわてる与える男。梓を振り払おうとする。
「えーなんでー?私たちの仲良しぶりをこのくまさんに見せつけてやろうよー
すきすきすきー!父さんよりもっと好きー!」
なおもくっついてくる梓。
それを見た父さんはにわかに悲しそうな顔になる。
「く、くそー小さい時は、父さんと結婚するって言ってたのに!!
わーん!」
梓の父さんは泣きながら部屋を出て行ってしまった。
これはまずい、、、確実に恨みを持たれてしまった。
これからが心配だ、、、
くっついてくる梓を振り払いながらそう考える与える男だった。
今日はあったかいなあ