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与える男  作者: geinguns
与える男
94/120

戦い

じっと与える男の顔を見て、その大男は動かない。

もちろん何もしゃべらず、微動たりともしない。



与える男の脇の下からじわっと汗が出てくる。

愛想笑いをしているつもりだが、顔が引きつっているようにしか見えない。



なおもその吟味するような視線に耐える与える男。

正月、梓の家の玄関先で2人は初めて出合った。




「あけましておめでとうございます」

挨拶だけはしておく与える男。


すると、その大男、、梓の父さんは、

にっこり笑う。「おめでとう、よく来たね」


にっこり笑う目の奥は笑っていない、、

そう思う与える男。


家の中に招かれ、お節料理が並ぶテーブルにつく。

が、にらめっこ状態はまだ続いている。



「なに2人とも緊張してるのよ!楽しくしましょうよ

お正月なんだから!」


梓がとりなすが、2人は相変わらず黙ったままだ。





「お父さん、、残念だったね、、辛いだろうけどお母さんを大切にしてがんばってね」




梓の父さんが口を開く。




「お父さんの、生きざま、私から見ても立派だったと思うよ。

男とはこうありたい、という理想の姿だ。

ぜひお会いして酒でも酌み交わしたかった、、


そんな立派な、お父さんを持ってる君が

うちのバカ娘とお付き合いさせてもらっていると聞いて

これはぜひ一度会っておかなければと思ったんだよ、、」



一度話しだした父さんは話し出したら止まらない。



「自分の愛する人にすべてを差し出して死ねなんて、教えている親なんて

どこを探してもいないだろう。


そんな教えを受けた男が梓を気に入ってくれるなんて、、、

嬉しい限りだよ。できれば嫁にもらってほしいくらいだ」



父さんは焼酎を水のようにぐいぐい飲んでいる。

かなりの上機嫌のようだ。



与える男は、梓を見て小声で話す。


「ねえ、、僕さっきからもしかして、ほめられてるよね、、気に入られてるのかな?」


「そうねえ、そうみたいねえ」




そうか!気に入られているのか!

じゃあ、いい機会だし言って見ようか!



「お父さん!」



「なんだね?」



「僕は梓さんと真剣に付き合っています!」



「そうか」



「将来!彼女と結婚します!!いいですか?」




その言葉を聞いた瞬間、父さんの表情が変わった。

眉間にしわがより、与える男をじっと見据える。


そのまま立ち上がる父さん。そして一言。


「何?」





与える男に立ちはだかる、最後の大ボス。梓の父さん。

勝てるのか?与える男。



この戦いにはセーブとかコンティニューとかないんだぞ与える男!

大丈夫だろうか、、、、、、


子供って大きくなると離れていくんですよね、、、

あたりまえですけど、、、

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