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与える男  作者: geinguns
与える男
93/120

クマ退治へ

おいしそうな音って言うのは確かに存在する。



鍋がコトコト、フライパンがジュー、まな板トントン、、

これらの音は、たいがいの人が幼少期から聞き続け、擦り込まれて

音を聞くだけでよだれが出るシステムが頭の中で構築されている。




与える男も例外ではないようだ。




台所で梓が夕ご飯を作ってくれている。

与える男の母さんはこの年の瀬の忙しい時期にひとり出かけて行ってしまったからだ。




家の中で2人きり。




へへへ、、、

与える男は不気味な笑いを浮かべる。




台所では梓が持参のエプロンをつけて何やら料理と格闘している。




そういえば吉田君がこの前言っていた。

「でへへへ、、、はだかにエプロンってええよなあ?」




AV見すぎの吉田君の発言を思い出した後

与える男は改めて、梓のエプロン姿を見て驚いた。



なんとみるみる梓の服が透けて見えるではないか!!





、、、て、そんなわけないけど

変なことを想像している与える男。




「ちょっと!油とってくれない?」



梓に言われて、立ち上がり油を取りに行くが

与える男はなぜか前のめりに歩いて行く。

まるで腰の曲がったおばあさんのようだ。




「何その変な歩き方、、、、どうせ裸エプロンでも想像してたんでしょ」



「そそそ、そんなことないよ!そんなわけないじゃないかあ、、

そ、、そうだ!吉田が正月4人で初詣行こうって言ってたよ!」



あまりに図星な梓の言葉にうろたえる与える男は

あわてて話をそらす。




「ほんとーいこういこう!!楽しみだなあ、、

そうそう、、正月と言えば、お父さんが正月うちに遊びにおいでって言ってたよ!」




え?マジで、、、そういえば梓のお父さんとはまだ会ったことがない。

緊張するなあ、、、怖い人だったらどうしよう、、



「梓のお父さんって優しい?」



「うんやさしいよ!くまみたいに大きくって柔道三段で見た目怖いんだけど

梓にはすっごくやさしいの」



くま、、、、、柔道三段、、、、、

行くのやめようかなあ、、、



「ぜひ噂の与える男に会いたいんだって。会って男の器量をはかる!!

とか言ってたわよ。何いってるんだろうねえ、、」




、、、ああ、たぶん怒られる。そして「こんな頼りない奴と付き合うのは許さん!!」

とか言って梓と付き合うの反対されそう、、、






正月早々クマと格闘する羽目になった与える男。

彼のもやしのような腕でクマ退治ができるのだろうか、、






「さあ出来たよ!おいしそうでしょ?」



与える男の前には梓が作ったハンバーグが並べられる。



ハンバーグ?

梓の作ったハンバーグに何かの違和感を感じる与える男。



「ねえ梓」



「なあに」



「そういえば、梓の料理ってハンバーグしか食べたことないんだけど

もしかしてハンバーグしか作れないんじゃないの?」




その言葉を聞き真っ赤になって下くちびるを噛む梓。

どうやら図星のようだ。



「、、、決めた、、お父さんにブン投げてもらうから!

そんな余計な事を言うやつはブン投げられて星になっちゃえ!!!」




火に油を注ぐとはこのことか!

正月は無事には帰れそうにない、、、、



そう思う与える男だった。

小説家になろうがなければ絶対にここまで書けませんでした。ありがとう

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