惨敗
「俺はなあ、、人が傷つくのを見るのが嫌なんや、、
そこでや、、俺は平和的に戦える種目を選んできた!!
では発表する!!
第一戦!!紙相撲勝負!
第二戦!!椅子取りゲーム勝負!
第三戦!!卓球勝負や!!」
、、、、
冬の公園を木枯らしが吹きぬける。
黙ったまま立ちすくす4人。
なんだか、勝負が馬鹿らしくなってきた、、、
と思う与える男。
すると吉田君はカバンの中から
お菓子の空箱に相撲の土俵を書いたものと
画用紙とはさみを取り出した。
「さっそく第一戦はじめるでえ!!
まずは力士を作ろう!!」
無理やり画用紙を渡された与える男は仕方なく力士の人形を作り出す。
ちょきちょきちょきちょきちょき!!!
猛然と力士を作る2人
最初は気乗りしなかったが、作っているうちに乗ってきた。
そう言えば、この勝負にはイブの楽しいデートが懸かっている。
「うおおおおお!!できたああ!
僕の自信作!名前は朝青龍ならぬ、あずさ青龍だ!!」
梓!絶対勝つぞと、熱い視線を梓に向けると
梓はこっちへこいと、手招きしている。
「ちょっと!!いい考え思いついたのよ!!」
というと、梓は力士の足に接着剤を塗り始める。
「ひえっへへへ!こうしておけば、絶対倒れないわよ!
汚い?うるさいわね!勝てばいいのよ勝てば!へへへへ」
梓、、、、君が小さく見えるよ、、、、、、、、、
「俺もできたでえ!さあかかってこい!」
土俵に力士を乗せる2人。
与える男のあずさ青龍は、接着剤がくっついてびくともしない。
「ちょっと待った!どうもこの力士、今日は調子が悪そうだ、、、
選手交代!!いでよ!鋼鉄山!!」
と言うと、
吉田君は鋼鉄製の人形を取り出す。
いったいどこで買ったんだろう、、、、
「汚いぞ、、吉田、、」
「汚い?この競技には力士の材質等の規制はいっさい言ってはおらんぞ!
卑怯者呼ばわりされる覚えは一切ない!!
では、始めるぞ!!はっけよーい、、のこった!!!」
当然勝負は一瞬で付き、あずさ青龍は粉々にされる。
「負けたよ、、お前には負けたよ、、
もういいよ、、24日は、、、
どうせ第二戦も僕が椅子に座ったら、爆発したり
第三戦は、僕の対戦相手が、福原愛ちゃんだったりするんだろ?
お前のやることはお見通しなんだよ、、、」
「ははは、負けを認めるんか!!
やったぞ!薫!今日は気持ちがいいから、飯をおごってやる!!
ついてこい!!」
ははははっは!!
高笑いをしながら去っていく2人。
残された与える男と梓。
「ごめん、、、負けちゃった、、イブはだめになっちゃったね、、、」
落ち込む与える男。
「いいのよ、、元々私のわがままだったんだし、、
仕方ないわね、、
イブの日は、売店からいっぱい手を振ってね!!
私もいっぱいいっぱい手を振るから!」
「うん!!わかったよ!!」
微笑みあう2人。
「寒いから腕組んで帰りましょ!」
「そうしよう、、体が冷え切った、、」
与える男と梓が去ってまた誰もいなくなった公園には、落ち葉を運ぶ冬の風が吹く。
冬の風は落ち葉と一緒に、粉々にされたあずさ青龍も連れて行ってしまった。
これでも大真面目で書いてます