第十話 クリスマスは、、、
読んでくれてありがとうございます!!
つながらない。朝から何度となく梓の携帯に電話をする与える男だが、
梓は電話を取らない。
不安になる与える男。
まだ寝ているだけだろう。
でも、、、、、、
もう一度だけ梓の携帯に電話をしてみよう、、、、、、、
すると電話から聞こえてくる声。
「この電話は現在、お客様の都合により休止させて頂いております、、、、、」
さらに不安になる与える男。
どうしたのだろう?
もしかして、僕の知らない内に梓は電話番号を変えてしまったのだろうか、、
昨日はクリスマスの話であんなに盛り上がっていたのに、、、
何故だ?なぜ今日は電話をくれないんだー!!
頭を抱え悩む与える男。
すると、与える男の携帯から着信メロディーが流れ出す。
あわててディスプレーを確認すると、、
「非通知」の文字。
「ごめんごめん!!朝寝ぼけてて、携帯勢い良く開いたら画面が飛んでっちゃって、、、、
最近の携帯はだめだねえ!!壊れやすい!!だから今家から電話してます!!」
屈託のない梓の声。
「いったいどうやったら画面が飛んで行くんだ?」
「何でだろうねえ、、、
ところで!!クリスマスなんだけど!!私たちイブにシフト入れちゃってるじゃない?」
そうだ、、
クリスマスイブ、、、
家に一人でいるのもさびしいし、吉田君がイブは絶対休ませてくれって言ってたから
イブは仕事することにしたんだっけ、、、
梓も、そうだ、、、
「でも!!でも!今は違うじゃない!状況は刻々と変わるものなのよ!
今は一緒に過ごす相手がいる!
でも、、イブは、あの幸せボケした2人に譲ってしまった、、、」
案内所も売店もくそ忙しいイブにバイトが2人とも休んだら大変だ。
そこで、どちらか一人がバイトに出てくれと頼まれているのだ。
「あー私、イブはどうしても街じゅうピカピカーのあれに行きたいのよね、、、」
ピカピカって、、ルミナリエのことだろうか?
街じゅうをキリスト教チックの電飾で覆い尽くす、外国の祭りが最近では日本でもやっているようだ。
梓はそのことを言ってるのだろう。
「そこでと、、、あなた!あの二人にイブは私たちの代わりに泥にまみれて働きなさい!
って頼んでくれない?
梓さまが、イブはどうしてもピカピカが見たいと言っていると付け加えるのを忘れないでね!
じゃあ、私携帯買いに行ってくるから!!」
がしゃ!!電話が切れた。
おい、、、そんなの頼んでもいまさら無理だろ、、、、
そんなこと言ったら、吉田君にたたき殺される、、、
でも、断られたら今度は梓に殺される、、、
ああーどーしよう!!!
いつもいつも、悩んでばかりの与える男。
なんだか大変そうだ。
この季節、日本中の至る所で行われているであろう、、
「イブの休み争奪戦争」
が、今ここに勃発したようだ。
与える男よ、、、幸運を祈る。
さあ、寝よう