感謝の気持ちを
「11月5日かあ、、なるほど、、」
梓はふむふむとうなずき、手帳に書き込む。
梓は書き込む。
11月5日
元祖与える男(お父さん)の誕生日
「親父の誕生日なんて聞いてどうするの?」
与える男、不思議な顔。
「プレゼントを渡したいなあって思って。
何がいいかなあ、、悩むなあ、、」
「え?あんな親父にプレゼントなんていらないよ!
それより僕の誕生日1月なんですけど、、、
え?メモらないの?
え?興味ないー?」
うろたえる与える男を、無視して
梓は、考える。
プレゼントなんて喜ぶだろうか、、
でも、どうしてもあげたい、、
私がプレゼントするの好きってのもあるけど
感謝の気持ちを伝えたいから。
与える男を育て
私に出会わせてくれた。
そのおかげで
今
私はとても幸せだから。
とっても感謝しています。
「11月5日に直接渡したいから
お父さんに言っておいてね!!約束よ」
「、、はいはい、、」
与える男、大変不満そう。
自分のことより、親父のことに
夢中の梓に、焼いているのだろうか。
「なんだよ、、僕には爪楊枝一本くれないくせに
親父には誕生日にプレゼントかよ!
それなら僕の親父と付き合ったらいいじゃないか!」
「それいい!!そうする!
じゃあ今日からあなた私の彼氏じゃなくて
私の息子になるから。
よろしくね!」
真剣な顔で言う梓。
そのまなざしに不安になる与える男。
「だ、、だめだよお
やめときなよお」
「あら?でもあなたよりましかもね
お父さんのギター素敵だった―
すごいねえ!
あんな特技があって
あなたには何の特技も取り柄もないじゃない!」
梓の言葉に与える男は打ちのめされ
暗い表情。
何事かをぶつぶつ、つぶやいている。
「くそう、、、あんなへたくそギター、、
あれくらい僕にだって弾けるよ、、、
あれくらい、、、」
あらら、、、
いじめすぎたかなあ、、、
あきれ顔の梓は
与える男の悲惨な様子を見て
ほんの少しだけ反省するのだった。
雨ばっかでやんなるよ