空を飛べたら
川で遊び疲れ川原に座る梓と薫。
ぽちゃん!
梓が河原から石を投げ入れる。
「薫ちゃん松岡さんと付き合うんだー
まあ、、、それはそれでいいんだけど、、」
ぽちゃん!
薫も石を投げ入れる。
「まあね、、とりあえず」
梓、精いっぱいの笑顔を作る。
「でもね、、違ったらごめんね
薫ちゃんって、もしかして
他に好きな人がいるんじゃないの?」
薫も精いっぱいの笑顔を作る。
「梓、、、ほっといてくれない?
その話はしないで頂戴!」
梓は黙る。
梓は薫のいうことはすぐに聞く。
与える男の言うことはまったく聞かないくせに、、、
薫はにっこりと優しい笑みを梓に向ける。
「ごめん、、ちょっと言い過ぎた、、」
薫は梓にはすごく優しい。
吉田君にはすごく冷酷なのに、、、
「梓、、この前さあ、、
与える男が山から帰ってこなかったとき
どんな気持ちだった?」
「うん、、、すごく心配だった、、
私、暗い所苦手なんだけど
山に探しに行こうって思ってた。
だって、あんな奴でも
いないと寂しいし」
薫、少し下を向く。
「うらやましいなあ、、」
「薫ちゃん!」
梓はすくっと立ち上がり大きな声を出す。
「薫ちゃん!よーく考えて見て!!
薫ちゃんにもいないと寂しい人がいるんじゃない?
絶対いるはずよ!
そして、、
その人がいなくならないように
薫ちゃんも頑張るべきなんじゃないの?
そうしないと絶対後悔するよ!」
薫は梓の手を取り、笑顔を見せる。
「ありがとう、、梓
やっぱり梓は私の一番の友達、、
でも、、、
どうしたらいいんだろう」
秋の空は青く
二人を包んでいる。
その空を見上げ、薫はふとつぶやく。
「空を飛べたらいいのに、、、、、」
70回目です
100回いったらお祝いしようと
思ってます