男だね!
「梓を?」
与える男は明らかにうろたえていた。
予想外、想定外の吉田君の言葉に
頭の中が真っ白。
「ああ?えーと」
何を言っているのか判らない与える男。
すると梓が突然口を開く。
「えー吉田君私のこと好きなんだ、、、
どうしようかなあ」
チラリと与える男を見る。
「私、吉田君と、、、、」
その時、与える男が猛然と口を開く。
彼の心にやっとのことで火がついた様子。
「譲れないよ!梓は絶対に!
いくら吉田君の頼みでもそれだけは絶対にダメ!」
「えー?本当に?でもどうしようかなあ?」
与える男が猛然と言うもなおも梓は
迷う素振りを見せる。
与える男の顔をチラチラと見る梓。
吉田君はその様子を見て悟った。
慌てる与える男を
弄んでいる梓。
梓が与える男に何を言って貰いたいのか
吉田君には、痛いほどわかっていた。
「僕は!梓のことが!好きなんだから!」
ニンマリする梓。
満足している様子。
ウンウンと頷いている。
吉田君は苦笑いを浮かべる。
この二人にはもう割り込む余地はない。
そう思った
「もうええ、もうええわ悪かったな、、、、、、
しかしこれで踏ん切りがついたわ
幸せにな」
踵を返し
歩きだす吉田君。
「吉田君!」
呼びとめる梓。
「何や、まだ用か?」
梓は言う。
「吉田君って男だね!」
吉田君は会心の笑みを浮かべる。
その顔は確かに
何かをやり遂げた男の顔をしていた。
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