よく笑う人
教習所の中庭にやってきた薫と松岡。
ベンチに座る二人。
「今日もいい天気だ、、、」
と松岡。
確かに今日もいい天気。
雲ひとつない空。
そよぐ風。
中庭にあるベンチに座る二人。
「先生、、先生は私のことどんな子だと思います?
出会ってすぐで、こんなこと聞くのも変なんですけど」
「うーん、、そうだなあ
第一印象は
お高くとまっていて
ナンパなんか絶対ににされないタイプ
だろうなあって思った。
これ、、当たってたけど」
松岡は、苦笑した。
「でも、実は意外な一面があって
甘えんぼだったり
子供っぽいこといったり
とにかく
冷たい外見と
中身はまるでちがうんじゃないかなあ
って思った。
当たってる?」
薫はちょっとにらんで
「私って冷たい外見なんですか?先生」
と、言う。
かなり不満そう。
「ははは、ごめん!
でも、、心は暖かい人だと思う
ほんとだよ」
松岡は熱を帯びて話し出す。
「ドアをはいってきた君たちを見て
僕は目を奪われた。
そこにいた、大半の男性はそうだと思うが、、、、
声をかけなきゃ、一生後悔する
そう思った。
そして勇気を振り絞った
結果、君とこうして話ができたんだ。」
薫、いたずらっぽく微笑んで
「勇気を振り絞っていた割には
なれた声のかけ方だったわよ」
ははは
白い歯を出して松岡は笑う。
それにしてもよく笑う人だ。
と薫は思った。
「それで、、気になってたんだけど、、」
笑い顔から、ふと
真剣な顔になって松岡が言う。
「あの2人のうちどちらと
付き合ってるの?」
ははは
今度は薫が笑う。
「どちらもちがうわよ
真面目そうな方が
友達の彼氏で
もう一人は、、、、、
単なる友達」
「そう、、良かった
まだチャンスはあるってことだね
希望がわいてきたぞ!!
はははは!」
とにかく元気で明るく
裏表のない人だ。
薫はそう感じた。
悩みなんかなさそう、、、
「所で、、、」
松岡がことばを続ける。
「単なる友達は
君のことどう思ってるんだろう」
、、
薫は空を見上げた。
中庭から見える空は
四角く切り取られ
キャンパスに描いた絵のようだった。
「どうとも思ってないんじゃないの?」
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