不可解な薫
昼下がり
勢いよく、教習所の門をくぐる4人。
梓はスキップしながら
薫は清楚に
吉田君は斜に構え
そして与える男は
「ゼロから始める運転講座」という本を小脇に抱え
4人は門をくぐる。
「バトル!!これからバトルが始まるのよー!!
ぐふふふ、、楽しみ」
梓は楽しそう。
まるで何かに取りつかれたかのように
はしゃいでる。
対して薫は、無言、無表情、自然体。
まるで、
何かあったの?
とでも言いたげな表情。
「こんにちは!!
お!今日は友達も連れているのかい?
薫ちゃん!」
松岡だ。
さわやかな笑顔を浮かべている。
「先生、、、こんにちは」
あいさつを交わす二人。
その周りで、梓はなぜか落ち着きなく
ちょろちょろしている。
梓は小声で、吉田君にささやく。
「ちょっと、吉田君、
早く言ってよ!
私の頭の中のシナリオでは
おい!俺の彼女に何か用か?
って言うことになってるのよ!」
「あのなあ、、、、、
勝手に俺のセリフ決めんなや、、、
まあでも、あの軽そうな男に
俺も挨拶しとこうか、、」
吉田君が、すっと松岡と薫の間に入る。
吉田君は笑顔で
「ちわっす!
今日からここでお世話になる吉田っちゅうもんです!
先生!よろしくお願いします!」
「ほー吉田君ね!
よろしく!」
2人は普通に会話しているが
明らかに、互いに好意は抱いていない様子。
二人の無言で交わす視線が少し怖い。
「あ!そうだ」
薫が突然言葉を発する。
「先生、あっちでまた運転教えてくれませんか?
みんなごめん、、またあとでね、、、」
薫は、松岡を連れて行ってしまった。
残された三人
「あれ?薫さん先生のこと嫌がってたんじゃないのかなあ」
不思議がる与える男。
「何か話がちゃうなあ、、、」
吉田君も納得がいかない様子。
梓も腕組みをして
考え中。
「うーん、、わかった!!
薫ちゃんは吉田君を焼かせようとして
あんなことしたんだよ!!
もー吉田君!!
追っかけて 好きだ!
って言ってきてよお!!」
吉田君は梓に苦笑する。
「、、、お前はどうしても話を盛り上げたいみたいやなあ
たぶん薫は、ほんまにあの先生が好きなんちゃうか?」
薫の行動に、いろいろ
推測をする3人。
だがひとつだけ分かったことがある。
与える男は思った。
薫さんは
たぶん、どちらかのことが好きなんだ。
どちらかはわからないけど、、、、
間違いない。
この小説
純粋に小説なのは第一話だけだなあ