梓の運転講座
家に帰ってきた梓。
今は自動車の免許を
取ることで頭がいっぱい。
でも、、、
梓は心配顔
物憂げな表情を浮かべ部屋にたたずむ。
部屋に差し込む光に照らされ
愁いの表情を浮かべた梓は
まるでひとつの絵画のようだ。
でも、、、どうしよう、、、
梓は思う。
車の乗り方、、、わからん、、、
「おーい!兄貴ちょっとこい!」
困ったときはいつも呼ばれる兄貴。
しかし、プレゼントに、
うまい棒1本だけを
渡してから、兄貴とは絶縁状態だった。
「しまった、、、兄貴とはけんかしてるんだった、、、
あーこの前はごめん!
今度ちゃんとプレゼントするから、許して!!」
「おーしかたないなあ、、今度は何だ?」
兄貴がのっそりと梓の部屋に入ってきた。
「おー久し振り。
この前は、俺のナイーブな心を傷つけてくれてありがとう。
お前の、ギネス級の馬鹿彼氏は元気か?」
「うるせえ、、、、
それより、私免許取りに行くんだけど
車の乗り方教えて!」
「、、なるほど、
それじゃあ、本物の車で教えてやる
ついてこい!バカ妹よ!」
駐車場についた二人。
車に乗り込む。
「ここにキーを差し込む!
レバーがPの文字の所に来ているのを確認してから
キーを回すんだ!!」
「なるほど、、、
でもPって何のことなの?」
「Pは、、、ピーマンだ!
頭をからっぽにして運転しろってことだ!」
「ふーん、、そうなんだ」
「メモっとけよ!!
そして、ブレーキをしっかり踏んでから
Dの所にレバーを動かすんだ」
え?梓はちょっと困った顔をした。
「あ、、兄貴、、、もしかして
運転って、、、、、、足も使うの?」
兄貴は口をあんぐりして、
フリーズしてしまった。
無意味な時間が過ぎていく、、、、、、
「お、、、おまえ、、、、
あたりまえじゃないか!
足は、ものすごく忙しく使うぞ!!
大丈夫か?おまえ、、、
まあ気を取り直して、、
そしてこの斜めになってる棒を
おろして(ハンドブレーキです)
静かにブレーキから足を離して
アクセルをゆっくりと踏み込んでいくんだ」
梓は真剣な顔
「む、、難しい、、、
運転免許がなぜ国家資格なのかが、
今やっとわかった気がする!!
でも頑張って勉強するよ
ところで、、この赤三角はなに?」
ハザードのボタンを押そうとする梓。
それを見た兄貴が梓を
思いっきり突き飛ばす。
「ば、馬鹿野郎!!それに触るんじゃない!
それは緊急脱出用のボタンなのだ!!!
それを押したら座席がびよよーんと
飛び出す仕掛けなのだ!!
お前は007の映画を見たことがないのか?」
「し、、知らなかった、、、
以後気をつけます、、、、、、、、、」
「メモっとけよ、、
友達にも教えとけ!!」
本当に兄貴の言っていることを
まじめにメモしている梓。
本当に、梓は免許がとれるのだろうか、、
前途多難は間違いないようだった。
今年は雪を一回も見ていません。
そろそろ降るかなあ、、、、