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与える男  作者: geinguns
与える男
47/120

別れの朝

里の朝は、心地よい音の集合体。




鳥の鳴く声

小川の流れる音

木々の間を流れる風の音



それぞれが重なり合って

朝の寝ぼけた体に

癒しを与えてくれる。








「はい、あーんして」



朝ごはんを食べる与える男

その横にぴったりと寄り添って

かいがいしく世話をする梓。




「や、やめてよ、、、恥ずかしいじゃないか、、」




少し照れる与える男

しかしその顔はまんざらでもなさそう。




「じいさん、、、少し腹立ってきた、、、

こいつ山に置き去りにしてもいいかなあ、、」



本田さん、おどけて言う。



「ふぉっふぉっふぉ

若いもんはいいのお、、


、、、、



そういえば

今日お帰りだったね、梓さん」







「はい!

でもここが気に入ったので名残惜しいです。


それでお願いがあるんですけど、、

今日、これから里を案内してくれません?」





「ほお、こんな美人から

でぇとの誘いを断るわしではないぞ!


喜んで案内して差し上げよう!!」







ご飯を食べ終え、着替えをした

彼らに

とうとう別れの時がやってくる。





旅館の玄関先





与える男はすっかり山登りの装備を

固め、見た目だけは登山家のよう。




「じゃあね、、、くれぐれも

気をつけてね、、、

本田さん、くれぐれも彼をよろしくお願いします」




「おう!こいつのことはまかしとけ!

奥さんの頼みだったら、何でも聞くぜ!」




本田さんが奥さんといった瞬間

梓は下を向いて、赤くなった。



「そんな、、奥さんだなんて早いですよ。

本田さん、、」



与える男も照れながら言う。





「ははは、照れやがって!

頑張って今日も稼ごうぜ!

行こうか!山へ!

お互い、家族のためにな!」






2人が山に向かう姿を

梓はいつまでも、見送っていた。




心配そうに彼らを見つめる

梓の横顔。



それを見ておじいさんがゆっくりと口を開く。



「今時珍しい、好青年じゃな、、

梓さんはいい男を選んだもんじゃ。」







「はい、、、少し馬鹿なんですけど、、、、、、、」









梓のために、仕事を頑張ろうと

改めて思う与える男。



しかし、このあと

この仕事の本当の恐ろしさを知ることになろうとは

このときは思いもしない与える男だった。

あけましておめでとうございます

これからも、ご愛読よろしくお願いします


geinguns

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