すべてを、、、
笑顔の朝を迎えた梓とは
対照的に、与える男はなんか浮かない顔。
バイト中もため息ばかり。
「はあー馬鹿だなあ俺、、、」
「日本でベストテンに入るくらいの大馬鹿やなあ」
吉田君が追い打ちをかける。
「よく考えたら、あの一日で
彼女の何をわかったって言うんだろう、、、
あの言葉はよくお互いわかり会えて
いい所も、嫌な所も
全部許し会えてから言う言葉だよなあ、、」
「よく考えんでもそうやっちゅうねん!!
それに、結婚なんてちゃんと
生活力のある奴の言う言葉や!!
バイト学生が軽々しくゆうたらあかんで」
「あー俺ってやっぱ最悪!!
なんて彼女に失礼なことしたんだろう!!
でも、、
でもあの時、本当にずっと、、
一生一緒にいたいって思ったんだ!
一緒にいなきゃいやだって思ったから
あんな言葉を言ったんだ、、、
それだけは彼女に分かってほしいんだ!!」
「、、、それは大丈夫みたいやで
俺にはわかるんや
理由はいわれへんけど、、、」
与える男はまたため息。
それにしても、、、なぜだろう?
与える男には一つ不思議なことがあった。
なぜ、あの時明らかに暴走ぎみだったのに
彼女も結婚するって言ってくれたんだろう、、
なぜ、あんな唐突で、でたらめな俺に
答えてくれたんだろう。
冗談だと思われたのだろうか、、、
でも
彼女は真剣に応えてくれた。
吉田君が横でつぶやく、、
「おまえ、、気が付いていないのか?
真の与える人は梓なんや
あほなお前をすべて受け止めてくれとるやろ
今までな
多分これからもそうやろうなあ
、、、、大事にせえよ梓を」
真の与える人は梓だ。
その通り、まったくその通りだと
思う、与える男。
与える男は
まだ未熟な己の汗を
ごしごしと何回も拭いていた。
冬なのに夏の話書くの
気分でないです