ミニスカートで肩車
夕方
パレードを見る最高のスポットである。
この広場にもだいぶ人が集まってきた。
周りにはレジャーシートを敷いて座る
家族連れやカップルでいっぱいだ。
結局二人は、この炎天下の中
夕方までここにいた。
これといって何もせず
話をしたり
流れる雲を眺めたり
弁当を一緒に食べたりしただけだった。
しかし
与える男には至福の時であった。
「退屈だったろ。
もうすぐパレードが始まるよ。」
「退屈?ううん
私は全然退屈しなかったわ
だって、あなたおもしろいんだもん。」
「え?それって僕が話し上手ってこと?」
「ははは、そんなわけないじゃない。
なんてゆうのかなあ
あなたには、次何をしでかすか
わからないって感じがあって
見てて飽きないのよねえ」
馬鹿にされてる感漂う
梓の言葉に少しムッときた彼だったが
まあ確かにその通りかなと思った。
パレードが始まるまであと少し。
大変な人ごみで埋まった広場。
その中、子供の泣き声が聞こえる。
その声を聞きつけ振り返る与える男。
鳴き声が聞こえる方には
子供を3人連れた若いママがいる。
来るのが遅れたのだろう。
座れるところもなく立っている。
子供が疲れてぐずっているのを
一生懸命あやしている。
「ねえ、、、、私いま思ったこと、、、」
「たぶん僕も同じこと思ってる、、、、
でもいいの?」
「いいよ!
だってあなたが教えてくれたじゃない!
人に優しさを与えればそれは何倍にもなって
帰ってくるんでしょ!!
ここ、あのママさんに座ってもらいましょ!」
二人は、朝から何時間も待って
場所取りをしてきた、この場所を
結局、譲ってしまった。
子供を連れたママさんは何度もお礼を言っていた。
結局、パレードが見れなくなったふたり。
「あーあ、ここからじゃ見えないなあ、、
でもいいことした後は気持ちがいいね!!」
「ごめん、、、」
あやまる与える男。
「あ!いーこと思いついちゃった!!
あなた!私には借りがあったわよねえ
それを今返してもらうわよ!!」
「うん!何でもするから言って!」
梓はにやりと笑って言う。
「私を肩車しなさい!それでソフトの件は
チャラにしてあげる!」
「もちろんします!
だって僕は与える男なんで!」
与える男は梓を持ち上げようとするが
梓は意外に重く、思わず「うっ!」と声が出た。
「見える!みえるよ!やったー
あー!きたきたきたー!
わーいネズミさんだー!!」
上機嫌でパレードを見る梓
その間与える男は、自分の頭の後ろに
あるものを考えないようにしようとした。
が、無理だった、、、、、、、
パレードが通り過ぎ梓を下ろす与える男。
打ち上がる花火の光に照らされる梓の顔を
思わず見つめる。
視線に気付き、思わず目をそらす梓。
「僕、今日の一日でひとつわかったことがあるんだ、、、」
「、、、、、なに?」
消え入りそうな声で言う梓。
「君はすごく素敵な人だなってこと。
そして僕は君をどう思っているかってことに、、、」
梓の白い顔が赤く染まる。
「あの、、、その、、、
ぼ、僕と付き合ってくれませんか?
、、、、、いや違う!!」
「え?ちがうの??」
「今決めた!!
僕と結婚して下さい!!!
ぜぇったい幸せにします!!!!!!」
「け、結婚???」
付き合ってくださいという言葉に
うなずきかけた梓だったのだが
正直結婚という言葉にはびっくりしていた。
「僕は!あなたにすべてを与えて
抜け殻になって死にます!
お願いします!僕と結婚して下さい!!!」
びっくりした表情から
だんだん笑顔になる梓。
梓は落ち着いた声で言った。
「いいわ、、、
私、あなたと結婚する。
末永くよろしくお願いします。」
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