夕日
閉園した園内を歩く女の子がいる。
手には大きなタオルが入った袋。
前を歩く男二人に目をやる梓。
薄汚れた制服を着て、タオルを振り回しながら歩いている。
これまでは、まったく相手にもしなかったタイプだ。
彼らとの距離が縮まるたびに
心臓の鼓動が大きくなる。
彼らの背後まで近寄ると
声をかける梓。
「あのー与える男さんですか?」
びくっとして二人が振り向く。
目を丸くして梓を見ている。
「閉園前、年配のご夫婦が見えられて
これを売店の与える男さんに渡して下さいって
言われましたので、、、、」
梓はすらすらと大人っぽいしゃべり方が
出来ている自分に驚いていた。
タオルが入ったビニール袋を
彼の手を取って渡した。
彼の手は油と汗で汚れていたが、梓は気にならなかった。
「ありがとう。これからも与える男でいて下さいって
おっしゃってました。
私もそう思います。
じゃあ、、」
そう梓は言うと
梓は彼らに背を向けて歩きだした。
結論から言うと
あいつらはいいやつだ
薄汚れて全くイケてないけど
人にはやさしい、、
そして、、
私には何を与えてくれるのだろう
あの「与える男」さんは
そう考えながら梓は歩いた。
梓の顔が赤いのは
夕陽に染まったからだけではないようだ。
第二話 完
第二話終わりです
感想、とくにダメ出し待ってます!!
第三話は12/1(土)に出します
また見て下さいね