知りたい
自分の部屋でパソコンの前に座る
女の子がいる。
物憂げな表情
大きな瞳には何が映っているのだろう。
ノートパソコンを開ける。
まるで宝石箱を開けるお姫様のようだ。
女の子の白く長い指がマウスを持つ。
カチャ、、、、、
マウスのクリック音が静かな部屋に響く。
カチャ、、、カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ
カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ
「あれ、動かん、、、、
おーいまた動かんぞー教えろー」
「またかよ、、、今度は何だ、、、」
めんどくさそうに梓の兄貴が部屋に入ってきた。
「マウスが動かない?ああおまえ
右ボタンでクリックしてるぞ、、、、
言っちゃ悪いがお前のパソコン理解力は
80歳のお年寄り並みだな、、」
「うるさい!貴様は二行以上しゃべるな!!
わかったから出て行って!
ブログ書くんだから!」
「わかったよ!出て行くよ!
せっかく教えてやったのにあの態度は何だ!」
兄貴がぶつぶつ言いながら、部屋から出ていき
梓はまた一人になった。
またもとの物憂げな表情に戻った梓は
今日の出来事を思った。
今日はバイトの面接だった。
大好きな場所で
大好きなくまさんやネズミさんに囲まれ
大好きな友達と仕事をする。
夢のようなことだ。
しかし悪者たちもいる。
電車の中までつけまわされた。
でも、薫ちゃんは、彼らはそんなに悪い人じゃないかも
電車の中であったのも偶然だという、、、
そんなことはない、、
薫ちゃんは騙されている、、
気にしすぎだろうか、、
でもあいつの
電車の中でぶつぶつ言いながら
ニタニタ笑ってた顔が頭から離れない。
「お前をさらって山に埋めてやる
へへへへへ」
そういってるような気がして
梓は身震いをした。
襲われるかも、、、、
最近変な事件が多いし、、、、
せっかくの楽しいバイトがあ
ぶち壊しになる!!!
梓は頭を抱え込んで
そのままベットに飛び移った。
そうだ、、、
本当に悪い奴かどうか調べれば
すっきりする、
あいつの名前、
どこに住んでいるか
違う
あいつがどんな人間か
知りたい、、、
梓はこの不安を打ち消すためには
何でもしようという気持ちになっていた。