悪者登場!
「、、、、ほかに何か質問はありますか?」
ここに、テーマパークのバイトの
合同面接を受けている女の子がいる。
大きな部屋のざわめいた空間の中で
少し緊張しているようだ。
「あ、、ええと、くまさんは
どこにいますか?」
「ちょ、ちょっと梓!
いえ、、なんでもないんですよ!
ああ、交通費は全額支給でしょうか?」
「もちろん全額支給ですよ。それと、、、」
「ハイ、なんでしょうか、、」
「くまさんにいつも会いたいなら
エントランス近くのインフォメーションで
働きますか?
くまさんの活躍をいつも見ることができますよ!」
面接官はにっこりと梓に笑いかけた。
面接が終わり
ほっとしたところで
待合室で、梓は薫と休憩していた。
ふと
梓は入口に立ってる男に目が行った。
よれよれのTシャツに、ジーパン
ぼさぼさの頭に、肩からカバンをかけている。
「薫、ちょっと見て、あの子
イケてないなあ、、
きょろきょろしちゃって、怪しい感じねえ!」
「梓!人のことを、そんな風に
言っちゃダメよ!
でも、確かに、、、
隣の子はまあまあね!
ちょっと軽そうだけど」
「ちょ、ちょっと見て!肩からカバンが落ちても
そのままずっと立ってるよ!きも〜」
入口近くには、二人の男が
何やら話している。
時折こっちを見ているようで
梓には二人が何か悪だくみをしているように見えた。
「薫ちゃん!もし、あいつらに
話しかけられても、無視!
決まりね!」
「そうね、、わたしもあまり興味ないし、、」
くまさんやネズミさんに囲まれた
楽しいバイトを
あいつらの悪だくみで
ぶち壊されてたまるか!
と梓は思った。
「あいつら、ぜったい悪者よ!」