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与える男  作者: geinguns
与える男
109/120

ライブへのはるかな道のり

自分がすべてをかけてきたものが消えてなくなると

人はどうなるのか?



泣くのか?


怒るのか?


呆けるのか?





統計を取ったわけではないが

答えは「苦笑いをする」なんじゃないだろうか。




フルの演奏は素晴らしかった。

フルのギターで会場に大きなグルーヴができ

大いに盛り上がった。



しかし結果が出なかった。



結果が出なかったフルは今

与える男の前で、苦笑いを浮かべながら立っている。




「駄目だったわ、、、」



つぶやくように言うフル。





与える男はやりきれない気持ちでいっぱいだった。




「本当にやめちゃうんですか?ギター」




「ああ、、、俺は引きずるのは嫌なんだ。

俺は負けを認めて、また違う生き方を探す。




そうだ、、、もうやめるんだから

これやるよ」




フルは自分のギターを与える男に差し出す。




「ええ!もらえないですよ!」



遠慮をする与える男だったが、フルは強引にギターを

押し付けこういった。



「もらってくれ!そして、トップを目指してくれ!

俺に代わっておまえは世界一のギタリストになってくれ!」




「ええ!僕まだコードも押さえられないんですよ!

それが世界を目指せって言われても、、、」



フルは大きく被りを振る。



「何事もな!始めたからにはトップを目指すんだ!

でなけりゃ、中途半端になるぞ!



トップを目指す気持ちがあれば、自然と上達するもんだ。



そんなもんなんだよ、、、」



フルにもらったギターをぐっと握りしめ

与える男はうなずく。



「わかりました。がんばります!」


その言葉を聞きにっこりと笑ったフルは

与える男の肩をぽんと叩く。



「じゃあな!おまえのステージ楽しみにしてるよ!」





背中を向けたフルは振り返ることもなく歩いて行く。





いつまでもフルを見送る与える男。




フルの後ろ姿を見ながらぽつりとつぶやく。







「ステージかあ、、、、」






ライブまでのはるかな道のり。




やるべきことは山積しているが

フルの言葉で、決心をする与える男。




それがどんなに困難な道でも

歩き続けることを。





第一話完



やっとかけた、、、

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