表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
与える男  作者: geinguns
与える男
105/120

決まり事

「背筋は伸ばして、肩はリラックスさせる。


後ギターはなるべく寝かさない。

弦そのものをを見るんじゃなくて



ほら、ネックの上に点があるだろ

これを目安にするんだ」



与える男は今日も楽器屋にきて

ギターを教えてもらってる。



与える男

これまでになく真剣な表情。



「ギターを立てたら、、

まったく弾けません、、、難しい、、、」



「、、、難しく考えることはないよ」



フルはやさしく微笑みかける。



「ロックには決まり事なんか一切ない。一切だ。



俺が今言っていることもこうすれば弾きやすい

と、勧めているだけで、こう弾かなければならない

ってもんじゃないんだ。



なんならギターを歯で弾いてもいいし

手の代わりに電気ドリルで弾いてもいい。



そこが、ロックとほかの音楽の違いだよな」



フルはギターを下ろし、煙草に火をつける。




「ロックは何をやってもいい。そこが最大の魅力だ。



考えてみろよ。世の中は決まりゴトだらけだ。



朝は起きなければならない。


学校に行ったら机に座って勉強しなければならない。


休み時間は休み時間で、友達のつまらないギャグに

愛想笑いしなきゃならない。



そうすればうまくいく。

決まり事には従わなきゃならないのは十分わかってるんだが、、、



疲れる時もある。



そんなときに、決まり事一切無視。

裸に長髪、水道の蛇口をチェーンにつけて

首からかけた男が、



悪魔を礼賛する歌を歌っている姿を見ると

スカッとする。


よくぞここまで、世の中の決まりごとを破ってくれた。

俺にはできないことを、この男はやってくれたと熱狂する。



そうして俺はどんどんロックにはまっていった、、、」




与える男は師匠の話を目をきらきらとさせながら聞く。



「でも、、、ギターは立てないとFは一生押さえられないぞ!

あくまでアドバイスだけど、、、」




ははっはは!



2人は笑いだす。

快活な笑い声が楽器店に響く。






「でも、、、そんな風に自由に生きられるのはほんの一握り。」



下を向いてフルはつぶやく。



「たいていはあきらめて、規則だらけの社会で窮屈に生きていかなきゃならない。

でも、、、俺はいやだ、、、」



手をぐっと握りしめ、前を向くフル。

鋭い眼光。



「やっと、、、やっと本選まで残れたんだ、、、

俺は勝ってプロになる、、、



俺、、、今度コンテストに出るんだ、、、

それに優勝したらプロデビューできるってやつなんだけど、、、



もしよかったらさあ、、、見に来ないか?


俺のギター聞きたいんだろ?

俺の最高のギターをそこで聞かせてやるよ!」



与える男はもちろんうなずく。



「もちろん行きます師匠!

喜んで行かせてもらいます!」



「ありがとう、、、がんばるよ」









師匠の一世一代の舞台に招待してもらった与える男。

今から楽しみで仕方がない様子。






「頑張ってほしいなあ、、、師匠、、、」





3連勝は当然の結果です!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネット小説ランキング>恋愛コミカル部門>「与える男」に投票 「この作品」が気に入ったらクリックして「ネット小説ランキングに投票する」を押し、投票してください。(月1回)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ