2話 現在の様子
前回のあらすじ GAMEOVERの文字―――(シリアス終了)
今回は世界観の説明です。少し退屈かも?
しかもすっごい短いです。すいません><
※短くても毎日更新を目指すスタイル
仮想世界『ブラッド・オペラ』。
それは、日本国内の小さな会社「オニキス」が開発した仮想空間である。
はじめは、会社の知名度自体が低く、全く話題を呼ばなかった。しかしとある電子新聞社が大々的に取り上げてから瞬く間にその名が広がり、アクセス用の媒体の先行発売前に入った予約の総数は、初期生産量の約25万倍という、世界の歴史から見ても驚異的な数字を叩き出した。
オニキス側も媒体の増産を重ねたが、到底間に合うわけもなく。まずサーバーのキャパシティを大幅にオーバーしていたことから、ベータテストをするという名目のもと、人数の制限を行った。結果、日本国内限定、それでも数百万人いた購入者から、10000人ほどの規模まで減らすことになった。
そして始まったベータテスト。
「戦え」
「戦え。剣を取り、槍を取り、鎚を振るい、血を振りまけ。戦え。戦え。君らに残されているのは戦うことだけだ。生き残りたいなら、家族のもとに帰りたいのなら、何かつかみたいものがあるのなら、戦え。戦え。戦え」
「弱き者には罰が下る。逃げる者には、それ以上の罰が下るだろう」
「幾度も襲い来る異形の怪物との戦いに打ち勝ち、見事戦い抜いてみせよ」
「君ら一人一人にはそれ相応の力がある。それを振るうかどうか、それは君らの意志に託されている」
「君らの健闘と、血の宴を期待する」
『ブラッド・オペラ』のGMを名乗る者がプレイヤーたちに囁いたのは、無慈悲な一言。
戦え。
全世界が待ち望んでいたベータテストは、一万人規模の人間を仮想空間に監禁するという大惨事へと変わった。
仮想空間という今までになかった場所に人質を取られたため、警察も動くことができず、外部の人間は救出することができない。
内部にいた人間もログアウトすることができず、さらに自殺やモンスターの攻撃によって死亡するとゲームオーバーとなり、リスポーンすることができないことをその身をもって知った。
プレイヤーたちは、生き延びるためにはゲームをクリアすること以外道はないと悟る。
そして、ゲームについての設定やストーリーを全く明かされぬまま、ゲームは開始された。
ゲーム開始直後、錯乱し自殺する者や勇気と無謀を履き違えた者、戦いを甘く見た者が犠牲となりつづけ、たった一ヶ月で1万の参加者は7000にまで減少する。戦いを好まぬ人間を除くと、実質的な戦力はさらにそれを下回っていて、このままでは半年も待たずに全滅してしまうだろう。そう予想されており、仮想世界はどんよりとした絶望感に包まれていた。
しかし、『しいな』『リアロ♪』『Dies✝irae』『カナ』の四英雄と呼ばれる者をはじめとした強豪プレイヤーたちの活躍や、ゲームシステムとGMの言葉の研究、解明。そしてこのゲームのストーリーと向かう果て、つまりエンディングについておおよその予想がついたことから、プレイヤー側の反撃が始まる。
このゲーム『ブラッド・オペラ』は、まずそれぞれのプレイヤーでチームが作られ、そのチームごとに拠点―――キャンプと呼ばれている―――にスポーンさせられる。その場所は様々で、大きな城のある安全なキャンプであったり、周りが鬱蒼と茂る木々に囲まれている規模の小さな、言ってしまえばボロい村だったりもする。
また、それらには、一定の周期が設定されていて、その度にモンスターがキャンプに襲来するようになっている。それがGMの言葉、「幾度も襲い来る怪物との戦い」ということ。大きな城のあるような安全なキャンプは、襲ってくる敵がある程度強化されているようだが、何より周りを囲む大きな城壁が非戦闘プレイヤーの心の支えとなるのだろう。そうしてプレイヤーたちは小さな村を捨てて、大きなキャンプに集結するようになった。結果として、キャンプはいくつかの大きなキャンプに絞られていく。
そしてエンディングの形だが、中央に存在する凄まじく大きな木―――これは便宜上世界樹と呼ばれている。理由は見た目とゲーマー魂―――の攻略と見られている。というのも、特に魔王についての伝承や、それらしい伝説の紋章のようなものもないので、何か目指すべきものというと、どこまでも伸びているような大樹以外なかったのだ。
ようするに、度々襲い来るモンスターに抵抗しながら、世界樹の中を攻略すれば、このゲームは終了する。
ゲームの終わりが見え、未来に少しずつ希望の満ちてきた。
現在の生存者、5402名。キャンプ数は140。
これが、現在の『ブラッド・オペラ』の姿である。
といった感じです。
考えながら執筆しているので、かなり矛盾が生まれていると思います。小説家になろう非会員の方でも感想を書いてもらえるよう設定したので、誤字報告や矛盾の指摘だけでもお願いします!