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13話

依頼を受けて、その後です

おや、リンちゃんの様子が……

 黒ローブの男が少女を拉致する、傍から見たら完全に犯罪な事件があったことから数日。

「う、うぅぅぅ~!」

リンは森の中を走り回っていた。

「おぉおおりゃぁぁぁ!」

目の前で剣を振り上げた『スカルナイト』に対して、下段に引き絞ることでモーションを起こすスキル『グランモール・ラン』で対抗する。地を這うようにして放たれる一撃は、スカルなど部位耐久力の低いモンスターに効果を発揮する。

 地面をえぐりながら近づく刃が、スカルナイトの足を捉えた。衝撃が、細い足から体中に伝わっていくのが見て取れる。

 そして体力ゲージが減ると同時に、足がバラバラに砕け散った。剣を振らんとしていたスカルナイトは体重を支える足を失い、不格好に体勢を崩してこけた。

「そ、そこです!」

そしてそこに向かって、格闘スキル『ストンピング』を使用。青の光を纏った足がスカルナイトの体を砕く。体を支える脊椎を砕かれたスカルナイトは即死。ポリゴン片と消えた。


(動きの早いモンスターは、カウンターで足を止めろ)


トーマの声が、リンの脳内に響く。

 今、リンはカナを取り戻すために、ひたすらレベリングを行っていた。それと同時に、ありとあらゆるモンスターとの戦闘経験を積んでいる。

やったあ、とモンスターを撃破して喜ぶリンのもとに、トーマがやってきた。

「……次」

モンスターを引き連れて。

「うぇぇ!? まだ続けるんですか!?」

「……まだまだ。昼休憩まではぶっつづけ」

「あう」

レベリングの方法は簡単である。そこらへんでウォークライを使用しまくり叫びまくり、モンスターの注意を集めたあと、トレインしてリンのところまで連れてくる。それだけである。当然どこまでが限界なのかは弁えているので、無理ギリギリまでに抑えてあるが、戦っている本人からしたらたまったものではない。

「……頑張れ」

「頑張ります~!!」

連れてきたスカルナイト三体と交戦しているリンを見つつ、トーマはこれまでのリンの成長ぶりに驚いていた。

 やはり、リンは経験が足りなかっただけのようだ。初めのほうは短剣は当たらない、攻撃を避けられないと散々なものであったが、時間が経っていくにつれて持ち前の胆力、そこに知識、経験が組み合わさって、今となっては初級者プレイヤーの中でも上位に食い込めそうな勢いだ。

「うぬぬー!」

スカルナイトは耐久力が低いかわりに、高い攻撃力と素早い身のこなしを備えている。それが一気に三体もリンを襲っていた。初心者プレイヤーではまず、混乱して思考が停止してしまうだろう。

 しかし、リンは違った。

「そこっ!」

位置関係としては、重なるように二匹、少し離れて一匹といったところ。

まず落ちていた石を拾って、重なる二匹の内前の一匹に投げる。剣を振り上げていたタイミングだったため、カウンターヒットし強制ノックバック。続いてその怯んだスカルナイトにノーマルバイトを繰り出す。骨にぶつかり突き刺さることなく滑るが、ダメージを与えることが目的ではなかった。そのノーマルバイトのシステムアシストによってついた勢いを、そのまま体当たりに利用したのだ。ひるんだスカルナイトは簡単にバランスを崩し、その後ろのスカルナイトをも巻き込んで仰向けに転がった。

目が覚めるような一瞬の攻防。この一瞬の判断力に、リンは長けていた。

「それで~、こう!」

そして、そこで短剣を残りの一匹に投げる。

「あ……、はぁ」

いい考えではあるが、とその様子を見ていたトーマはため息をついた。


カイィン


「えっ!?」

投げられた短剣はスカルナイトの骨を砕きも、貫きもせず、胴に当たり弾かれて、その上を滑るだけに終わった。

 弾かれるのを利用して体当たりをしたのはリン自身だというのに、いいところで詰めが甘いのだ。ただ短剣を投げるだけなら、ひるませることもできずに弾かれるだろう。短剣を投げるにしても、スカルナイトの弱点である額に投げつけるべきだった。額に強い攻撃を当てると、スカルナイトの頭が取れる。それを拾うまでのスカルナイトは混乱状態となり、攻撃や防御が雑になる。その隙に倒れている二匹に追撃を仕掛け、一匹でも減らすことができていれば戦略が広がったはずだった。

 しかし三匹目の動きを止めることができなかった。対応をしている内にあと二匹が起き上がるだろう。そうなれば、二方向から時間差で攻撃を受けることになる。当身技でも持っていれば話は別だが、残念ながら覚えているスキル自体がまだ少なく、おそらく対応はできないだろう。

「た、助けてくださいー!」

ピンチになった時の保険として覚えさせているスキル『メタルボディ』を発動させて、リンはうずくまって動きを止めた。効果は攻撃はおろか移動をも捨て、防御力を飛躍的に上昇させるというもの。抵抗することができない、降参であるという意思をトーマに見せると同時に、トーマは何もできないというもどかしさをリンに感じさせる目的で、それを覚えさせていた。

「……」

トーマはスカルナイトの弱点である打撃属性の鎚を展開した。それを、リンの短剣を弾いたスカルナイトに叩きつける。

「フッ」

 システムアシストもない無骨な一撃、しかし圧倒的な重量を伴った一撃が、スカルナイトの脆い体を粉砕する。まるで一瞬で消し去ったように、そこにはもともと何もなかったかのように、下ろされた鎚を上げたそこにはもう何も残っていなかった。

「……続き」

「あ、は、はい!」

スカルナイトを一匹消し飛ばしたトーマは無表情のまま。喜ぶことも、励ますこともせず。トーマはその場を離れて、続きを促した。

「そりゃあ! ていっ!!」

スカルナイト二体相手程度であれば、リンでも大丈夫だろう。

 トーマは腕を組んで、木にもたれかかった。

「やったぁ!」

トーマの耳に、そんな喜びの言葉が聞こえるのに時間はかからなかった。


リンさんがすっげえ強くなった。

これも一応、伏線なのかも……?


遅くなって申し訳ないです!


既にメインのユニークを抜いてたwwwお気に入りもwww

そろそろPVも……?いつもありがとうございます!


か、感想、オナシャス……

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