第1章3:研修旅行~サバイバルの始まり~
翌日、研修旅行のため早めに起床する。眠い目をこすり時計に目をやると、5時を指していた。
「さすがに早く起きすぎたか」
と笑い、昨日のうちに準備をしていた荷物をもう一度確認する。
「着替え・・OK、歯ブラシ・・OK・・・」
すべてのチェックを終えると、リビングに下りていき電気をつける。さすがに誰も起きてないか。6時まで新聞を読んでいると、
「あら、早いわね新。おはよう。」
「あぁ。今日は研修旅行だから早く起きて準備していたんだよ。」
「そうだったわね。朝ごはん作るけど、何がいい?」
「そうだな。トーストとウィンナーとスクランブルエッグで。」
「ちょっと待っててね。」
研修旅行の案内を眺めていると、研修旅行中はグループ行動なのか。如月さんと同じグループになれるといいなと考えていると、
「できたわよ。」
と朝食をテーブルに置いた。
「ありがとう。」
といい、トーストにかじりつく。
「そういえば研修旅行はどこに行くの?」
「んーと、ちょっと待ってね。・・新潟って書いてあるよ。」
「あぁ、新潟に行くんだ。」
「母さん行ったことある?」
「あるわよ。冬はすごく寒くって、雪がいっぱいふっていたわ。」
「へぇ。今冬じゃなくてよかった。寒いのは苦手だよ。」
「ふふ。でも自然があっていいところよ。楽しんできなさい。」
「うん。」
時間を見ると7時を回っていた。
「8時に集合だから、そろそろいくね。」
「はい、いってらっしゃい。」
学校に付き、集合場所である、高等部入口前に集合すると、新入生はかなり集まっていた。集合時刻もあと5分というところだから、当たり前か。
クラスの方へ近づいて行くが、知り合いもまだいないので、ポツンと立っていると、
「新くん、おはよう。」
と如月さんが声をかけてくれた。ドキッとしたが、
「おはよう。」
と返すとニコッとしてくれた。しばらく他愛もない話をしていると、担任の結城先生が来て、
「はい、1-Cの諸君は目の前にあるC号車に乗ってくれ。」
ぞろぞろとバスに乗り込む。席も自由だったが、とりあえず一緒に座れる人もおらず、後ろのはじっこの席に腰を掛ける。隣は知らない男子が座った。
「よし、みんな乗ったな。じゃぁこれから新潟の国立自然の家にいくから、それまで周りのやつと自己紹介でもしててくれ。あ、問題は起こすなよ。私は・・・寝る!以上。」
みんなポカーンとなっていると、先生は自分の席に座り、寝始めた。バスも動きだし、周りも楽しげな会話に包まれてきた。その時、
「俺、阿久津瞬っていうよ。よろしくな。」
突然、隣の男に話しかけられて、驚いていると、
「君は、神宮新だっけ?あってる?」
と聞いてくる。
「あぁ。そうだよ。よく覚えてたな。」
「はは。俺は中等部からここにいるから、新より覚える人数少ないだけだよ。」
と、馴れ馴れしく返してくる。
「なるほどな。俺は高等部からだから、分からないことだらけだから、いろいろ教えてくれよな瞬。」
「おう!任せとけ!」
瞬とはいろいろ話をした。学校のことや、今までのこと。他には音楽や、テレビなどの他愛のない話までいろいろだ。瞬はとても喋りやすく、親しみやすい奴だった。瞬は自分の能力まで教えてくれた。瞬の能力はアナザー・モーメントと言って、時間を操るgiftらしい。
「新のgiftはなんなんだ?」
「俺のgiftはマジ最近開花したから、よくわかってないんだよね。グラビティって言って、重力関係のgiftみたいだよ。」
「へ~。面白そうだな。着いたら見せてくれよ。」
「あぁ。いいぜ。」
時間も過ぎ、目的地に到着したようだ。
「はい、みんな起床~~!!」
・・・寝てたのはあんただけだよ。
とブラックなツッコミを入れつつ、先生の話に耳を傾ける。
「はい、じゃぁとりあえず、バスから降りよう。」
と言い、先生はバスから降りて行った。みんなそれに続く。
周りを見渡すが、他のクラスの人たちは確認できない。すると、生徒の一人が、
「先生、他のクラスの人たちは?」
「あぁ。人数多いから、クラスごとの研修旅行なのだよ~。」
なるほど。まぁ別にどっちでもいいけど。しかし、新潟の自然の家に来たんだよね?自然の家どこにあるんだろう。と考えていると、先生がニコニコ顔で、
「じゃぁ、今日はちょっとここでサバイバルしてもらいます!」
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