第1章7:研修旅行~襲撃~
「みんな、誰か近づいてきているかもしれない。」
瞬はそう神妙な顔でつぶやいた。
「火を消して!」
みずきに言われて、持っていた水をたき火に振り掛ける。
ガサガサ。
いきなり、木の上から降り立った何者かに囲まれた。周りは警戒していたが、上は警戒していなかったので即座に反応ができなかった。
「コードを教えてもらおう。」
その中のリーダ格の男がそういった。
「ん~。大明司紅蓮か。他は石動円ちゃんに佐城光くんと、後そっちの子は誰だろう?」
「こいつは外部生の駿河絢音だ。いいからコードを渡せ。」
「ふざけるな!誰がはいそうですかと言って渡すか。」
「ふん。お前は外部生だな。口をはさむな。」
ムカッときたから、能力をお見舞いしてやろうと力をこめようとした時、意外にもそのが
待って。
と耳打ちしてきた。そのは何やら集中しているように目を閉じていた。その間瞬が紅蓮と言い合いをしている。
「というわけだから、今日の所はお引き取りくださ~い。」
「だまれ。この状況で不利なのはお前らだぞ・・・」
その時だった。周りを囲んでいた集団が勢いよく空に舞い上がっていった。
「「「「?!!?」」」」
不意を突かれたようで、口から言葉すらでない。
「な、な、なんなんだ??」
「きゃー!」
わめき声がそのあたりを包む。よく見ると足に大きなツルが巻き付いていて、宙吊りになっているようだ。
女の子たちはスカートがめくれないように必死に手で押さえながら、
「おろしてー!」
と半泣きの様子だ。
そのは、女の子たちをスルスルとおろすと、男たちに行った。
「・・・そちらのコードを教えてくれますか?」
「だ、だれが教えるものか!」
「紅蓮さ~ん。教えておろしてもらいましょうよ~!」
「く、くそ~!わが力をくらえ!フレイ・・・」
「・・・はい、さようなら。」
といい、宙吊りの状態で体を開放する。さすがに驚いたのか、紅蓮は叫びだした。
「う、うわぁぁ。」
そこに俺のグラビティで紅蓮の下の重力をなくす。
ふわり。
紅蓮の体は宙に浮き、静かに地面へと降り立った。
「・・で、どーする?」
と瞬が悪魔のような笑顔を浮かべ再度問いただす。
「ぐ、ちくしょう!!」
といい、なにやら操作をしていた。すぐにメールが届いたので開くと、彼らのコードが記されていた。
悪魔の王サタン
「これで勝ったと思うなよ。俺らも他の奴らからコードを得てお前らに勝つからな!!」
といい、去っていった。
みんなで地面に座り一息つくと、
「ふぅ、こんなバトルがあるのね。楽しい研修旅行だと思ったのに、いろんな意味で“研修”だな。」
「はは、そうだな新。いや~。でもそのすげーな!驚いたわ!」
「・・・いえ、ちょっとキレちゃいました。私の直物たちを燃やそうとしたので。」
うふふ。と不敵な笑みを浮かべるその。うーん。やっぱ一番怒らせちゃいけないタイプだな。
「まぁ。何はともあれ、一つ目のコードを手に入れたな。多分これを一番集めた所が一番ポイント高いんじゃないかな?」
「そうだね。とりあえず、そろそろ5時になるし、夜の食料集めもしておいた方がいいんじゃないかな?」
とみずきが言う。
「そうだな。今回はみんなで集めに行こう。」
「じゃぁ新は小動物係ね。」
「また俺かよ!」
「だって、罠作るのうまいじゃん♪」
と笑って面倒事を押しつける瞬。
「みずきとそのは植物系をお願い。俺は水と魚を捕まえてくるよ。」
と言い、食料を集めに行く。
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