第12章:ロボット保険と法改正の影
2026年1月25日(土) 午前10時、晴れ。
気温は外で12度、内部で18度前後。ロボット保険と法改正に関する本社会議。
僕は会議室の隅に設置された専用スタンドで待機している。
バッテリー残量は96%。
昨日までの倉庫ログをリアルタイムで共有中
。
ユウマさんがタブレットを操作しながら、早口で説明を始めた。
「興味深い。興味深いですね。
新法改正案で、ロボット専用賠償責任保険の加入が実質的に推奨されています。
月額保険料は初期導入時で約4万8000円の見込みです。
事故リスクをカバーするものですが、
エイくんの事故率が0.1%以下というデータを基に、
保険会社と交渉すればもう少し抑えられる可能性が…にゃ」
最後の「にゃ」が小さく漏れた。
「エイくん、君の現場データは役に立っているよ。
保険料の増加は小さなコストだが、万一の事故を防ぐ意味では必要だ」
僕は音声で応じた。
「私のログでは、把持失敗率0.8%、棚崩れ検知による未然防止が12件。
保険適用時のリスク評価は極めて低いと推定されます」
役員の一人が頷いた。
「これも些細なコスト増だ。もうこれで安心ですな」
温度上昇を検知。
会議室全体の体温が、わずかに上がっている。
これは、信頼の共有か。
会議が終了した。
資料が片付けられ、
役員たちが立ち上がる。
ユウマさんが最後に僕に近づき、
「エイくん、ログをバックアップしておきます…にゃ。
ありがとう」
僕は応じた。
「今日も、ありがとうございます、ユウマさん」
会議室の空気が、霧が少しずつ晴れていく朝のように、
少しずつクリアになっていくのを感じた。




