熱すぎるサンドと、やさしい時間
これは、私がアメリカにいた頃の話だ。
どこの街にもある、あの緑のマークのスターバックス。
昼下がりのスターバックス。
私はホットサンドを頼んだ。
ハム&チーズパニーニ。
出来立てのサンドを手に取る。
香ばしい匂い。
一口かじる——。
「あっっっっつ!」
思わず声が出た。
店内の空気が一瞬だけ固まる。
向かいの席の女性が、くすっと笑った。
「それ、みんな一回はやりますよね」
頬が熱いのは、ホットサンドのせいだけじゃなかった。
——そして、別の日。
また同じ席で、同じホットサンドを頼んだ。
今度は慎重に、ゆっくり。
けれどチーズが予想以上に伸びる。
どこまで伸びるんだ、と思っているうちに、
チーズの糸が、隣のテーブルの前までスーッと伸びて——
「パクッ」
隣の小さな男の子が、満面の笑みでチーズを食べた。
母親が慌てて謝る。
「Oh my gosh, I’m so sorry!」
私は笑って手を振った。
「It’s okay. Sharing is caring.」
笑いが起こる。
香ばしいチーズの匂いの中に、
今日も少しだけ、やさしい時間が流れていた。
※”Sharing is caring.”英語圏ではポピュラーなフレーズで、直訳は「分け合うのは、思いやることだよ」みたいな意味ですが、大体の場合は「仲良く半分こだね!」って感じです。為になるね♪




