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1stのリウマ  作者: 真咲静
住処は確保してあります。
82/113

82.改築しましたよ

リウマのターン

 ヨルから鍵を受け取り、竜真は三人をとりあえずヨルの店へ預け自宅へと戻ってきた。

 竜真が先に戻ってきたのは、成人未満お断わりな彫像をなんとかするためだった。ヨルが「お前んとこの玄関に置いといたから」と言う気軽な台詞にまずはそれを子ども達に見せないようにしなくてはならない。そして魔術を使い家の改築をすること。今のままでは彼らは休む部屋がなかった。

 竜真の家は玄関を入ってまず右手側に台所と六人掛けのテーブルがある。左手側本棚がいくつかあり、何だか色々置いてある。その奥、パーテーションの向こうにベッドがあり、テーブルの奥には浴場とトイレが個室になっている。普通に見たかぎりではだいたい三十畳ほどの広い空間が台所、寝室、書棚に分けられていて一区画壁がありそこは風呂とトイレになっている。少し広いがシンプルな家だ。平屋の家。もちろん竜真の家がそんなにシンプルでいられる筈がない。彼が貯めた貴重品がどこかにあるはずだ。竜真は一番ベッドに近い書棚とパーテーションの間の床を剥いだ。階段が表れる。竜真は玄関に置きっぱなしの自分の姿の卑猥な二メートル程の像を軽々小脇に抱えると階段を降りた。

 そこは高さ五メートルで約六十畳の巨大な空間にソファーと机、椅子、様々な調度品に発掘品、書棚に大量の書物があった。

 竜真は像を自分の絵画や像の密集地帯に置くと一階へ戻り、玄関から部屋全体を見回す。

 竜真は目を閉じ頭にイメージを浮かべた。ベッドの奥の空間。今まで壁になっていたところは廊下にその廊下には七つの扉があるのを想像する。


「うん。こんな感じ」


 新たに作られた扉に近づき一番奥の扉の把手を握った。再び頭にイメージを浮かべる。扉を開けて机に椅子に窓に寝台。クローゼット……本棚……窓にはレースのカーテンに寝台の周りにもレースをあしらう。机の端には花瓶に水そして花。竜真は完成された女の子らしい一部屋を頭に作り上げて扉を開けるとそこには想像通りの部屋が出来上がっている。クローゼットに姿見を取り付け、櫛なども置いておくことを忘れない。まずはバレイラの部屋を完成させた。 竜真はバレイラ、シン、ロイの部屋を作り、一番手前に自分の部屋を作る。他の部屋よりも少し入り口を大きく作り、自分が使っていたベッドを放り込み、自分が寝室に使っていたスペースにソファーとローテーブルを置き、寛ぎの場を作り脳内の想像と魔術の創造を止める。


「こんなもん?なんか疲れた……それにしてもあの像何!ありえないんだけど……あそこまで再現しなくても」


 頭を抱えて作り上げたソファーに早速ぐったりと座り込んだ。それはそれは本物に忠実に作り上げた代物は服を着せれば動くのではないかと言う程の裸像。特にはバレイラには見せられない。先に片付けに来て正解だった。 

 竜真はだらーんと体から力を抜くと今度は気合いを入れて立ち上がった。そして夜更けのアリアへと向かうため、玄関へと歩みだしたのだった。




***




「お待たせ。準備できたよ」


 竜真が迎えに来たとき子ども達三人は夜更けのアリアでヨルの手伝いをしていた。


「準備できたって、お前んとこ平屋じゃないのか?」


「そこは問題ないですよ。三人をありがとうございました。さぁ色々買い物しながら行くから」


 竜真はさっさと夜更けのアリアを出る。少し待っていると何かの包みを二つ持ち子ども達は出てくる。


「今日の夕食用だそうですよ」とロイが説明する。


「僕が持つから貸して」と竜真はシンとロイから荷物をぶんどる。

 竜真は家を気に入ってくれるだろうか楽しみにしながら自宅へと三人を連れて歩きだしたのだった。


《お知らせ》 番外編置き場にお気に入り登録千件御礼のリウマとミグの出会い小話置きました。



はい。どう考えても家の広さに見合わない改築の仕方ですね。地下はちゃんと掘ってあってのあの広さなのに……それは次回です。

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