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1stのリウマ  作者: 真咲静
神様達との接点が出来ました。

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7/113

7.有名税の支払い

下ネタだらけです(笑)

リユカ帝国、タナーナの町の大通り沿いにある居酒屋で、竜真とミグが飲んでいると、隣の席の三人の女性から、竜真としては聞き捨てならない会話が流れてきた。

「――で、リウマって短いし、持たないし、金払いは良かったからいいんだけど、あれじゃあ、余計に欲求不満になっちゃうわよ」

「名が知れてる冒険者って言っても、それじゃあねぇ」

「はは。やぁだー」

くすくすと笑いあう女性陣の不甲斐ないリウマの逸話に竜真から流れてくる不穏な空気が変わる。

ミグは「またか」と単純に思った。

「それじゃあ、ミグそろそろ休もうか」

「そうだな。俺は先に上がってる」

ミグは肩をすくめて、「ほどほどにしとけよ」と竜真に声をかけると、竜真は手を振って答えた。

「お姉さん達、ちょっと話を聞かせてくれるかな」

ミグの背中が離れていくのを見ながら、覆面の中で獰猛な肉食獣が笑っているかのような顔をしたまま竜真は三人娘に話しかけた。



***




「ミグ……僕って本当に有名人だよね。ビシャヌラの所を発ってから四人目の緋色のリウマがいるよ。今度、各ギルド本部のマスターに提言しようかな。僕の名前を騙った冒険者はギルド証剥奪ってさぁ」

「……騙りが出した損害をリウマが払うのは馬鹿馬鹿しいな。とりあえず、そいつらの身ぐるみ剥がして金目のものは賠償に足りない分は肉体労働でもさせて弁償させないか?

「いいなぁ。ミグ、それいいね」

明らかにイライラしている様子でぼこぼこにした男の1人を足蹴にして、竜真は覆面越しに微笑んだ。

「覆面してるから、騙りやすいなんて思ってるから痛い目に合うんだよ。」

「……がぁ…ぁ」

「しかも、僕を騙った奴が一番早漏ってどういうことさ。飲み屋でお姉さん方の話し聞いて、嘆かわしくて泣きそうだったよ」

竜真が足蹴にして、足元に敷いている覆面を更に蹴飛ばした。

「あまりに嘆かわしくて、そのお姉さん達ナンパして足腰立たなくなってもらっちゃったけどさ。不名誉な噂は撤回しなくっちゃ」

昨夜、別れる間際に竜真が隣のテーブルの女性達に声をかけていたが、まさか三人相手にことに及んでいたとは……ミグは竜真の絶倫ぶりを知っているため、女性達がどうなったかは想像に容易かった。

「…なんとかいいなよ。兄弟」

ほにゃらら兄弟とは言ったものだが、竜真は覆面の男から足を退けても、男はただ呻くだけだった。

「まったくリユカ帝国にはしばらく来てなかったけど、行く先々で緋色のリウマが居ると嫌になるよね。まさか、最近、旅に出ていない場所で緋色のリウマ大量発生中とかないよね」

「あり得るな」

二人は男達を縄で締め上げると、ギルド証を没収して、町の警備兵達に引き渡すと、その町のギルドに行き、没収したギルド証をギルドマスターに渡した。


ギルドマスターは困惑顔でギルド証を受け取る。

「お話は聞いておりましたが、帝国内のギルドにて提言させて頂きます。ですが、リウマ様は覆面と偽装されやすい仕様ですので……」

「ギルドに内緒にしておきたかったから、覆面にしてたけど……すいません。マスター、こちらに来ていただけますか」

竜真は物影でギルドマスターに顔を見せた。



***



「これは……」

ギルドマスターは目を見張った。

ここまで美しい美少女は見たことがなかった。

「僕はこんな顔でも男ですよ」

男と聞いていても「まさか……」としか言えないほどの美少女顔ぶり。薄い桜色の形も色も美しい唇にギルドマスターの目も釘付けになる。

そんなギルドマスターに竜真が決定的な証拠を見せると、ギルドマスターは納得して頷いた。

「……ご立派な……です。それにその髪、確かに覆面を付けなければ、大変でしょう」

竜真が覆面で顔を隠すと、ギルドマスターは物影から出た。戻ってきた男達にミグは笑っていて、気になった従業員達や冒険者達はそわそわしていた。

「リウマ、色々見せたみたいだな。マスター、リウマは色々と凄かったでしょう」

「えぇ、リユカの追求者ミグ。緋色のリウマ様のことは、マスター会議で提言させて頂きます」

こうして、緋色のリウマの情報が各地のギルドマスターに通達されたのだった。





***


シュミカにて



「リウマさんが、黒を持つ者とご存知でしたんでしょう?今、冒険者ギルドではリウマさんの容姿が話題になっているのですよ」


「へぇ」


ハアンの何か言いたげな顔に、ヨルは何も言わずにニヤニヤしていた。


「なんでもリウマさんが覆面なのをいいことに偽物が大量発生したのが原因だそうで、今後、名前を騙るものが居たら、ギルド証剥奪だそうですよ」


「リウマの大量発生……あははははははは」


笑い始めたヨルにハアンはこれは駄目だと呟いた。


ヨルにネタをハアンが提供した模様。

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