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1stのリウマ  作者: 真咲静
神様達との接点が出来ました。

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69.ランク戦(6)

お待たせしました。本日は今週分で二話お届け

ランク戦も三組による総当たり戦に入って三日目。

連日の戦いも今日が最後の一日だった。


一日目はまず1stを追う者とリユカの炎が戦った。

体格差をもろともせず戦い、1stを追う者が勝てたのは、リユカの炎の想定範囲外にロイの魔術の腕が上がっていることにあるだろう。風魔術の沈黙効果が相手チームの魔術師の口を閉ざしたこと、その他補助魔術がランク戦期間の短期練習で確実にレベルアップしていることで、発動時間が短縮、効果の強化されていること、また、一人、一人のスキルも確実に上がっていたことが勝因だった。


二日目はリユカの炎と嵐の前の戦いだった。

前日に負けているリユカの炎が力みすぎ、嵐の前の中で能力がずば抜けている男に叩きのめされる。

ミグが言っていた通り、数字持ちに近い能力があるようだった。

その他の二人もランクBは確実のようで強敵だと戦いを見ていた1stを追う者とミグは作戦の練り直しを図り、今、三日目を迎えている。


「では、予定通り、私、シン、ロイの三人で行きます」


「「はい」」


《いってらっしゃい》


決意新たな返事のシンとロイ、その二人を見てニャルマーは頷いた。そして、バレイラを三人は微笑ましげに見る。


「バレイラの為に勝ってきますよ」

「見てろよ!」

「頑張るからね」


三人はバレイラを囲み頭を撫でていると、職員に呼ばれたので、舞台に上がっていった。



***



ロイがニャルマーに強化を掛け、ニャルマーが一番強い男を、まず五分だけ押さえる。 その間にロイとシンが他の二人を不能にさせる。

作戦は功を奏し、二人を戦闘不能にしたのだが、ニャルマーと男の戦いに入るタイミングが掴めない。

膠着状態が続いていた。


「中々、やるな」

「く……ありがとうございます」


つばぜり合いは止まらない。

しかし、そこでニャルマーの目が見開く。男越しに何かを見たようだった。

シンとロイもそれに気が付いたのか、ニャルマーの視線を追う。


「なるほど」

「ニャルマーさん。いいとこ見せよう」


シンとロイは男をニャルマーに任せたようだ。


「ふん。俺との戦いの最中余裕じゃないか」


力は全く抜けないくせに、顔は自分越しに恍惚としているニャルマーに男は舌打ちした。

ニャルマーのその様子に観客、特に女性からほぉ〜とため息が出た。

色気駄々漏れのイケメンになったニャルマーに一部以外の大多数の男性観客が舌打ちをする。


「おかえりなさいませ」


ニャルマーは視線の先に届くように、心からの声をかけると同時に男を見もせずに、その胴に剣をたたき込んだ。


「ニャルマーさん、かっこい〜」

「リウマさんが居ると強くなるんだねぇ」


ニャルマーが相手の男が蹲るのを見ることなく、舞台の端まで駆け寄ったところで、シンとロイに止められる。


「やっぱダメだわ」

「ニャルマーさん。ギルドの合図あるまで舞台降りちゃダメだってば」


そこで観客達も舞台脇に人がいることに気が付いたらしい。


「試合、まだ続けますか?」


ロイがニャルマーを押さえ付けながら、舞台中央に蹲る男の様子を見ている判定役のギルド職員に話し掛けた。


「試合続行不能、1stを追う者の勝利です。」


その声を聞いた途端、ニャルマーは舞台から降り、とある人の下へ駆け寄る。

それを見た観客の一部から落胆の悲鳴が上がった。


「リウマ様……あぁ、リウマ様です」


「ミグ……なんで悪化してるの?」


「さぁ?」


ニャルマーが感激に感涙していると、竜真は苦笑いして隣に立っていたミグとバレイラに聞く。


《リウマさん欠乏症候群重症患者。リウマさんおかえりなさい》


「ただいま。バレイラ……中々毒あるネーミングだね」


バレイラの頬を軽く撫でると、舞台でギルド職員の話を聞いてから、ニャルマーを追い掛けてきたシンとロイが寄ってきていた。


「「おかえりなさい。リウマさん」」


「ただいま。シン、ロイ。優勝おめでとう」


「ありがとう。でも誉めるなら、ニャルマーさん誉めてあげてよ!ニャルマーさん、全試合出場したんだから」

「一番強い人倒したのニャルマーさんだから」


この短期間にニャルマー達の結束は固くなったらしい。

シンとロイ、バレイラのニャルマー擁護に竜真は顔をしかめる。


「……ニャルマー、中々格好良かったよ」


「りう、リウマさまぁ〜!」


「うわ!抱きつくな!」


ニャルマーが竜真を追い、竜真が逃げる。それをミグと子ども達が生暖かな目で見守る。一行は相変わらずと言ったところだ。


ニャルマー……残念!

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