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1stのリウマ  作者: 真咲静
神様達との接点が出来ました。
53/113

53.1人で…(ニャルマーの場合)

*ニャルマーの場合



ニャルマーはナユタに居残った。

それもこれも待ち合わせ場所を離れたくないその一心である。

さっさと竜真の命令通りにランクを上げるべく、ギルドに向かった。

知る由はないが、他の3人と同じくギルドに入って、まずは掲示板の前に立った所で1人に冒険者に声をかけられた。

華やかなと言う形容詞がよく似合う茶色い髪の若い女性である。

ニャルマーは邪魔するなと眉を潜めつつも、対応した。


「あの、すいません。」


「何かご用でしょうか?」


「私と結婚してもらえませんか?」


顔を真っ赤に染めながら言った女性にニャルマーは空いた口が塞がらない。


「え………っと?もう一度言っていただけますか?」


当惑し、相手の正気を確かめつつ、ニャルマーは女性を見つめると、女性はポッと頬を赤く染め、ニャルマーを見つめ返す。


「あぁ、素敵。私と結婚してください。」


「なぜ、そうなるんですか!」


ニャルマーの背中に冷や汗が流れる。

女性は目を潤ませてニャルマーを見つめ続ける。


「あなたの子どもを産みたい…」


ニャルマーは、浮かれ、逆上せた女性の呟きが耳に入った途端、一歩ずつ後退し…そのまま脱兎のごとく逃げ出した。

その際、ニャルマーの「ご遠慮させていただきますぅ〜」と言う情けない声が響いたのは言う迄もない。



***



「撒けたでしょうか…」


ナユタから逃亡して数時間、森に林に川に山、洞窟に街中、逃げ隠れしてきたが、何故か追い付いてきた女性にニャルマーは心底うんざりしていた。


「このままではランクを上げられません。」


暮れていく日に途方にくれる。

息を潜め、気配を消し、周りに気配を配る。

そのまま、夜が来て、朝が来て、日が上り、夜が来て、朝が来た。


「ナユタに帰らなければ…ランクを上げることなく3日経ってしまいました…」


息を潜め隠れ続けたニャルマーの頬はげっそりと痩け、気を張り詰めすぎたせいか、目が虚ろになっている。

綺麗な顔が憔悴していて、憂い顔の貴公子のようで色っぽい。

彼を追い掛けている女性に見つかったら、そのまま連れ去られ既成事実まっしぐらに違いなかったが、耳に入ってきたその声に、ニャルマーは天の采配に感謝した。


「ねぇ、ミグ、あそこでよろよろとしてるのはニャルマーかなぁ?」


「多分そうだろう、やつれてるのが気になるが…」


「………リウマ様…ミグさん…助かりました。」


ニャルマーが竜真とミグの声に反応して振り向き駆け出したその時だった。


「ダーリンみっーけ!」


弾けた女の声が聞こえたと思ったら、ニャルマーの姿が掻き消えた。


「………ニャルマー居たよね?」


「居たな。」


「今の2ndの魔物使いシェナビアだったんだけど…」


「ダーリンとか言ってたな。」


「助かったって言ってたね。」


「「………ニャルマー!」」


竜真とミグはシェナビアに拉致されたニャルマーを追い掛けたのだった。


予定通りニャルマーですが…ニャルマー誘拐事件発生!

攫ったのは過去に名前のみ登場の彼女ですが…

ニャルマーの貞操はいかに?

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