5.友との再会
続々と出る新キャラ…
「ミグ。久しぶりだね」
「相変わらずの覆面なのか。もったいない」
待ち合わせ場所である帝国内の田舎町ナユタのギルド。その中に居る冒険者の誰よりも立派な体躯で無手を得手とする体術家に見えるが、得手はショートソード、中身はリユカ帝国史オタクであり帝国史については変態気味な執着をする面、趣味は被服や手芸、料理だったりするかわいい人である。
刈り込んだアッシュに藍の瞳。
ここまで濃い色合いの瞳はこの世界では珍しく、竜真はミグ以外知らない。
この世界でも大きい方に入るミグと成人男性としては小柄な竜真。二人が並ぶと男女にも親子にも見える上に目立つ。
「――視線が煩い。場所を変えよう」
ミグはギルドを出て
「二人部屋を確保してある。一応、ここを拠点にする」
「わかった」
2人はギルドから外へ出た。
***
「ミグ、ありがとう。」
そう言って、宿の部屋に入ると竜真は覆面を解いた。
「相変わらずの美人だな。これ付けてみないか?」
ごそごそと大きい体を小さくして、ミグが自分のバックパックから取り出したの薄い青のレースで出来た自作シュシュだった。
カッと爽快な音をたてて、シュシュにナイフが通った状態で壁に刺さった。
「変態め…」
かわいいものを愛でることを変態とは言わない。
かわいいものを作ることを変態とは言わない。
ただ、自分に付けさせようとすることが竜真には我慢できない程度に嫌いなので、ミグは竜真にとって変態なのだ。
「初動が見えない上にシュシュの真ん中を通し、かつシュシュを傷つけない。…リウマ、腕を上げたな。」
「鍛練したからな。」
竜真をからかうヨルを的にして…
「またヨルを苛めたんだな。」
ヨルは相変わらずらしいな…
行間を読む会話もできるミグとの出会いは、マリシュテンと何をとは言わないが、色々と励んでいる時に、偶然にミグが通りかかってしまったのがきっかけだった。
ので、ミグは竜真の素顔を知っていた。
竜真に付いて、シュミカに行き、ヨルにも会っている。
ミグは竜真にとってかなり親しい人物なのだ。
「今回の目的地は?」
「ここナユタから50キロ南東に行くと迷いの森がある。そこの真ん中あたりで、マリシュテンの遺跡と同じぐらいの古さ。多分、マリシュテン(古代神竜)クラスは居るかもしれない未到達遺跡だ。今日は準備にあて、明日朝出発しよう。」
「あぁ、わかった。」
竜真にとっては珍しい、同い年の気心しれた友人との再会は、後に竜真にとってこの世界で最も出会いたくなかった存在との出会いを呼ぶのであった。]
ミグ:25歳
手先が器用で乙メン。
外見はアレですが、中身はかわいい方です。
竜真の数少ない友人の1人。
ちなみにマリシュテンと竜真を通して友人になったミグはマリシュテンと度々会っている。
外見はアレだがミグが持ってくるお手製の可愛すぎる服や小物達にマリシュテンはメロメロにされていた。