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1stのリウマ  作者: 真咲静
神様達との接点が出来ました。
17/113

17.幻想の英雄像

リウマに初めて感想をいただけたので、嬉しくて追加です。

ありがとうございます。

これからも何か間違っていくニャルマーをよろしくお願いします。

「おは…失礼しました。」


その男がまず学んだのは、竜真の部屋には返事が来るまでは入るべからずだった。



***




思いがけずして出会うことが出来、追いかけ仲間に入れてもらえた。

従者お断り、仲間ならOKと言う破格の扱いに、男は歓喜して、シグルド様はには申し訳ないが、リウマ様にお仕えしますと心に決めた。


ゼナダの街に泊まることが決まり、竜真とミグとニャルマーは夕食をともにしていた。

ニャルマーは当初、主人格である竜真やミグと同じテーブルにつくことは出来ないと言ったのだが、竜真の一緒の席に着かなければ、旅には連れていかないの一言に、ニャルマーは仲間に入れて下さったばかりか、席まで一緒にと言って下さるなんて、なんと優しい方なんだと、過大評価著しい感想を持った。

竜真にしてみれば、従者も使用人もいらないし、旅の仲間になるなら、当然の扱いなのだが、竜真とニャルマーは認識の違いは埋まらないようだ。

ニャルマーは竜真への過大評価により、より一層お勤めに励まなくてはならないと、心に勝手に秘めていた。


「ミグ、僕はちょっと出かけてくるよ。」


「ま、ほどほどにな。」


なんのことだかミグにはわかっているようだが、ニャルマーはわからず、竜真に付いて行こうとする。


「ニャルマー、やめとけ。リウマのナンパに付き合うな。」


「ナンパですか?」


すかさずミグが止めた。

ニャルマーは目を見開き、ミグを見た。


「リウマも健全な男だからな。旅に余裕がある時は、あぁしてナンパしてる。なんでも女の子が積極的で大胆なのは素晴らしいだそうだ。あいつは色々と凄いぞ。」


朗らかに笑うミグにニャルマーが狼狽えた。ニャルマーの中に竜真がナンパする等という軽々しさが無かったのだ。

1stと言うカリスマ性、奈美恵を教育した時の節度と礼儀正しさ、上品さ、その美貌が竜真と健全な男を結び付けていなかったのだ。


「ちなみにナンパの勝率は俺が見てきた中では100パーセントだ。逃げられた試しなし。流石1stだな。」


「はぁ…」


「俺はそろそろ部屋に上がるがどうする?まぁ、疲れとっておけよ。」


「はい…」


まだ現実を受け入れられないニャルマーはミグも居なくなった席でボケと座っていた。




***



「ミグ、ニャルマー…おはよー」


そう言って部屋から竜真が出てきて食堂に来たのは、2人が昼飯を食べていた時だった。

気だるい声と物腰は、ニャルマーがうっかり入りかけた後もまだ、ほにゃららが続いていたからだろう。


「今回のはイケてた…。」


「リウマがそんなこと言うのはマリシュテン様以来か…相手は人間か?」


「ううん。人型の魔物。」


「ま!ほにょ?」


あっさり言い切った竜真に2人は驚いた。ニャルマーは驚きのあまり大きな声が出たが、自我が戻ったミグに口を押さえられ、ニャルマーの声が籠もる。


「昨夜、美人さんが居たんだよね。ナンパしたら着いてきたんだけど、実は僕の魔力を奪い取るためだったみたい。まぁ、精も魔力なんて微塵たりともやらなかったけどねぇ。魔物は本当タフだよねぇ。マリシュテン以来に腰がおかしいもん。あきらめない、あきらめない」


呆気に取られてるニャルマーと、あっけらかんと魔物とコトに及んだと言った竜真に挟まれたミグは、どうこの場を収めようか、頭を痛めた。




***




「さぁ、すっきりしたし、お腹いっぱい。ギルドに寄ってから次の街に行こうか。」


あくまでも爽やかな竜真にミグは訝しげな顔をしていた。


「ギルド?金は問題ないし、依頼も受けないのに何しに行くんだ?」


いつもなら女性を放置したままにはしない竜真が今回に限っては放置してきたことが怪しい。


「報告。」


ニャルマーは未だに竜真と魔物がほにゃららしたことが信じられなくて凍結していた。

その様子を見て、竜真は、はぁぁぁと長いため息を吐いた。


「昨夜、何かを受けたんだな?」


「最近、ゼナダで魔力を持つ冒険者が、淫魔にそれはそれは極楽を味合わされて、魔力を取られるんだって、人の形を取れるから、数字持ちの依頼としてファイリングされてたんだけど、最近ゼナダに数字持ちが来てないから、ギルドの内部調査って形でことが進んできたみたい。とりあえず街じゃあ戦えないから、淫魔と好戦してみて、淫魔の魔力吸引を封印してみたんだよね。マリシュテンの技って流石ぁ。ふぁぁぁぁ。」


最後にあくびを付け足して、竜真は歩みだした。

その後ろ姿を見て、ニャルマーが打ち震えて呟いた。


「リウマ様は淫魔に勝ててしまうのですね。男として尊敬します。」


「ニャルマー、幻想を抱くな。」


ミグはそんなニャルマーを少し可哀想な者を見る目で嗜めたのだっだ。


ニャルマー…何か間違ってることに気付いてくれ…とミグが生暖かな眼差しで見守っています。

こんな感じできっとニャルマーは間違った方向へ向かうことでしょう。

ニャルマー、現実を見ましょう


竜真さんは、お金に煩いめんどくさがり屋な上、ゲテモノ食いの美人狙いのナンパ野郎で、他人に厳しく自分に甘い人ですよぉ〜。

カリスマ性?気品?そんなもの必要な時以外ゴミ箱に捨てとけって言われちゃいますよぉ〜。

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