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1stのリウマ  作者: 真咲静
神様達との接点が出来ました。
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12.教育クエスト終了

長袖にジーパン、手袋、長靴、帽子と覆面の間しか見えない程に肌を露出しない生活なのに、何故か眉間を蚊にさされる…

こんちくしょー

「さて、10日目です。」


竜真の笑みにただの朝食の場がキラキラ光っているような気がして、奈美恵はちょっとびくついた。契約は10日間。教育系依頼にしては異例の短さだ。


「今日で、終わりですか?」


「はい。終わりです。なので、今日1日かけて総復習代わりに試験したいと思います。」


総復習、試験の声に奈美恵の顔は青くなった。

基礎言語、歩き方から始まり、マナーや礼儀作法にダンスに魔法、体術、剣術…


「えっと…それは今日中に出来るものなの?」


「もう所作や食事マナー、歩き方は採点済みだ。」


固まる奈美恵は恐る恐る竜真を見た。相変わらず、美しい美少女顔でにこやかに笑っていた。

奈美恵には竜真の笑みが怖かった。


「ご飯が終わり次第、基礎言語の試験、その後はダンスね。所作はその都度見ていくから。ダンスの後は昼ご飯。魔法学の座学の後は実践と体術・剣術の型ね。奈美恵の異能がほぼ僕と同じで良かった。その理解力と記憶力、体力、魔力は君を守るよ。」


この世界で生き残るためには、自分で身を守れなければならない。

それはヨルとの初対面しかり、今までの生活が証明していた。


同郷の女性に日本に帰る方法を教えることはできないが、この世界で生き延びる方法ならば、竜真には教えることが出来るのだ。


出会った時にはすでに、最古の帝国の貴族社会に入ってしまっている奈美恵に出来る最大の応援は、動向が短期に変わる貴族社会に対応できるだけの知識と経験を甘えが出ないよう、これまた短期間に積ませることだった。




***




「はい。そこまでミグ相手に良く頑張りました。」


竜真は汗だくになり、肩で息をしている奈美恵の肩に手を置いた。


「ミグ、どうだ?」


「…3rdクラスくらいには、すぐなれる。」


ミグもまた息を切らしている。

そんなミグの様子を見ながら竜真は頷いた。


「やっぱり異能か…多少の男女差はありそうだ。奈美恵は僕より記憶力、理解力での異能発揮率が高い。それと力よりも速さに比率が向いている。」


「本当に魔術士ギルドだけではなく、冒険者ギルドにも登録してほしいと思う。」


3rdとして、冒険者ギルドにも戦力は欲しいと思ったミグの呟きに竜真は苦笑した。


「奈美恵、どう?冒険者ギルドにも登録してみない?数字持ちになれるよ。」


「貴族ってだけでも面倒なのにぃ。」


ぐったりとしている奈美恵の呟きに竜真は大いに笑った。


「まぁ、言ってみただけだ。気にするな。」


「…ミグでも冗談言うのね。」


「いや、それなりに本気ではある。ギルドとしては数字持ちになれる奴はスカウトしたいからな。」


あくまでも真面目なミグに奈美恵は脱力しきった。


「ミグは基本的に冗談は言わない。奈美恵にはそれだけの実力がこの短期についた。何せ教師は1stと3rdでリユカの歴史の専門家もいたし、ただそれだけなんだ。試験は合格だ。着替えてからシグルド様の所へ行こうか。」


竜真は笑顔で言い切ると、ミグと奈美恵の肩を叩いて歩きだした。竜真の後をミグが追う。


「竜真さん、ミグさん、ありがとうございました。」


歩きだした竜真とミグの背中に奈美恵の声がかかる。

2人が振り向くと、奈美恵は笑顔でお辞儀した。



10日間の鬼による授業閉幕。


同郷の人編、前後編で終わらせる予定が結局2倍になりました。


次回からまた旅が始まります。

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