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1stのリウマ  作者: 真咲静
大掃除は大変なんです。
105/113

105 .娘が可愛すぎて

男性にはちょっと?なお話。でも知っていても損はないはず。

ロイが完全にドアを閉じるのを見てから、竜真は口を開く。

 「僕がリオラナの誘いに乗らないのが不思議? それとも紅砂の扱いが不思議?」

 「両方です」

 イザナは今回の竜真の仕事の一片を見聞きしただけで、竜真のその実物の大きさが巨人に見えるような気さえしていた。

 「1stの条件が紅砂設立に関わってくるんだけどね、基本的には盗賊ギルドの組織である紅砂は冒険者ギルドの仕事には関わらせない様にしている。まぁ、例外はあるからあくまで基本的にだけどね。今回は1stとして受けた仕事のついでに盗賊団にケンカ売ったから紅砂を使った。それだけ。ちなみにその前に紅砂を使ったのは戦争回避と冒険者ギルドから戦争を行った国への制裁だから、紅砂が出張ってくるのは特殊だと思っていい。これが紅砂の扱いね。質問はある?」

 聞きながら頭の整理をしているのかバレイラもイザナも質問はないと言う。そして、竜真は首をぐるりと回し、首をほぐしてから話を続けた。

 「リオラナの誘いに乗らないのは、リオラナが僕の相手になりえないから。僕の子どもを産むのは彼女ではない。その一言に尽きる。高確率な避妊手段がもう少ないからには遊びはするつもりもないし、僕が次に手に入れるのは嫁だけ」

 最後の方はかなり茶化し気味に言っているが、言っている内容はかなり過激でイザナはバレイラも聞いているのにとドギマギしていた。

 「バレイラにもちゃんと説明しなければいけないことだからね。何かあって傷つくのはほぼ女の子だよ。ね、イザナ」

 竜真の眼光は突き刺さるようにイザナを貫く。イザナはその目に一瞬切り殺されたのではないかと錯覚さえ起こした。

 「――あ、あぁ」

 「だからね、バレイラは今から僕の特別講義ね」

 イザナの様子に首を傾げながらも竜真に頷いた。

 「バレイラはまだ月のじゃない、こちらで言うと……思い出した。花の開花はしてないんだよね?」

 「まだリーシャさんとその話をしたよ」

 「そう。どんなものか聞いた?」

 「花の開花が始まると定期的に血が流れるってきいたよ」

 「うん。リーシャさんありがたい」

 「処置の仕方は?」

 「聞いてるよ」

 心底ホットして竜真はため息をついた。

 「よかった。僕が教えるにはちょっと難しいからね。花の開花が始まるってことはバレイラが子どもを産める体になったってこと。そこまでは聞いてるかな。花の開花が始まる前はとにかく様々な体調の変化がある。腹痛、頭痛から始まり、便秘に耐えられない眠気や胸や下腹部の張り、それこそ痛みがない人もいれば、悶え狂う程の激痛に襲われる人もいる。まだ始まっていないバレイラがどんなタイプになるかは分からない」

 バレイラは真剣に聞き、イザナはそんなことがあるのかと呟く。

 「僕の知り合いには花の開花直前になると一日眠ってる人もいたよ。曰く、三日徹夜した上にお酒を飲んだぐらいの耐えられない眠気だって、他にもお腹を切り開いて洗い流したいぐらいの腹部の違和感っていう人もいたね。個人差がとても大きいんだ。これも知り合いが呟いていたんだけど、精神的に変調があるのが開花の早ければ十四日前からと言う人は人生の半分をイライラして過ごしているなんて損だ。男は朝、半自動的に起き上がるものの相手だけでいいわよねって言われたけど、男だってそうイイ生き物でもないさとも思うよ。」

 「あぁ、話がずれたね。そう花の開花が始まる前から最中にかけては、体の負担が大きい上に精神的にもきつくなる。他にも病気になりやすくなる時期でもある。だから僕はパーティーの動きの中心に君の体調を置く。パーティーを組んでる間に初めて開花したら僕にだけこっそり教えて欲しい。君が大事だよ。バレイラ。君が花嫁になる日までは僕が全力で君を守るから」

「リウマさんに教えればいいんだね?」

「このパーティーに女性がいたら良いんだけどね。他の女性冒険者の中には血の臭いで魔物を誘発させるから、町から出ない人もいる。つまり開花時に外を歩く女性冒険者は本当に強かったりする。何せ腕がないと死と直結する職種だからね」

 喋りながら歩いてバレイラに近づいていた竜真はバレイラの頭をポンポンと撫でた。直後、妙な迫力を感じてイザナは一歩下がる。

「ちなみに花の開花から次の花の開花までの間に特に子どもができやすい日もある。後でこっそり教えてあげるから、その期間に不本意に君をどうにかしようとする者がいたら、半殺しにしていい」

「ちょっとまて! そこまでする必要あんのか!」

バレイラが頷く前にイザナが渾身の突っ込みをした。

「あたりまえでしょ? 僕の可愛い愛娘にいたずらするような悪い虫は虫以下だから死んでしまえ」

「極論にも程があるだろ」

「それが父と言うものです」

イザナの突っ込みからキョトンとしていたバレイラは二人の掛け合いに「ふふ」と笑い声をあげ、竜真に抱きついた。

「リウマさん、リウマ父さん、大好き」

「うっわ、かわいい。どうしよう。娘が可愛すぎる。嫁に出したくない」

「でも私はリウマさんのお嫁さんにはなれないんだよね?」

「うん。僕の相手は君じゃない」

「だったら、私はどこかの誰かのお嫁さんになるんだよね?」

「う……そうなんだけどね。くっそぉー女の子は大人だよねぇ。いつか嫁に行くにしたって、君は僕の娘には違いないんだからね」

「……どこの親も親ば、待て、娘抱いてる状態で剣を抜くんじゃない、鞭でもダメだ、だからと言ってその飛び道具もダメだから」

 バレイラを抱きかかえながら竜真は手元に次々と武器を出していくと、イザナは焦り両手を前に振りながら後退り。扉を背中にしたところでイザナの周りを模るように小さな刃物が扉に突き刺さっていく。

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「イザナさん、う・か・つ」

「バレイラ嬢!」

「なんかバレイラに文句あるの?」

「ない。ない。だから、いろいろしまえ、しまって下さい」

 それはシンとロイが帰ってくるまで続き、二人が帰ってきた時、イザナは本気の感謝を捧げてロイに嫌がられ、シンに苦笑されるのであった。


1年の12ぶんの1より多い日数を確実に不機嫌に過ごしてると計算してウンザリした真咲です。

個人差がとーってもあるので、調べる程摩訶不思議な現象です。

さてバレイラと竜真さんの関係を一歩進ませたくて書いていたけど、きっと読みたくない人のが多い回だったのではないでしょうか。

この世界は女性が町から出て暮らすには不便な世界だったのではと思われます。

ちなみに竜真さんが女性事情に詳しいのは女性にちやほや囲まれてきたから(もげてしまえばいい)

バレイラがすぐに教えると返事したのは情緒が育っていないせい。

バレイラにパパと呼ばせ隊としては父さん呼びはちょっと不満。シンにとっては竜真は兄に近く、ロイ的には師匠に近い感情があり、バレイラのポジションを決めかねての今回。

バレイラは竜真の愛娘、皆の妹。

イナザはもちろんオチ担当♪ 


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