68 COCOダイバー局
その日、COCOダイバー局のオープンに誘われたので、COCOナンバーズとして出席することになった。
ゾードはNo.1、ジョーカーがNo.4、ミアがNo.10で、俺がNo.13だった。
南月区は大きな運河が流れている運河沿いの都市であり、ビルも運河沿いのオフィス街に立っている。
「中々良いじゃないですか?」
ゾードがビルを見上げて言う。
確かに中々良い。
清潔な新しいビルに、窓が規則正しく並んでいる。
普通のビルだが、新ビルなので見栄えがいい。
「今日は新人COCOメンバーを集めての集会があるらしい。
まぁ、入ろう。」
俺は言い、中に入って行った。
集会は2階であるらしい。
ギルドのような丸テーブルと椅子が置かれたフロアに新人COCOメンバー達が割とぎっしりと座っている。
盛況だなぁ…
「ツッキーじゃん!」
「あ、ルナティさん、こんにちは。」
ルナティさんが挨拶してきたので挨拶する。
「私、演説しなきゃならなくてさぁ。
もう、ドキドキよ!」
「へー!
頑張ってください!」
そんな話をしていると、前方のスクリーンの隣に仙道さんが現れた。
新人COCOメンバー達はリンクのリーダーの登場に拍手で沸き立った。
「ありがとう。
みんな、静粛に。
リンクの仙道だ。
今日ここに集まってくれたと言う事は、少なからず大和ダンジョン委員会に不信感を持っている者達だと思っている。
ここは…
ダイバー達を応援する組織として…
そして、大和ダンジョン委員会のやり方にノーという為に、設置された。
いや、別に諸君らに大和ダンジョン委員会と必ず敵対しろとは言って居ない。
ただ…
俺たちナンバーズはそう言う想いがある事は何となく覚えていて欲しい。
さて、まずはCOCOメンバーになった事にお祝いを述べ、これからのダイバー人生に幸あらん事を願おう。
では、COCOメンバーの決まりについて、みんなと共有したい。
まずは桜波が説明する。」
仙道さんは言い、桜波にバトンタッチした。
「あー…
リンクの桜波だ…
こう言うのは柄じゃないんだけどさ…
まぁ、聞いてくれ。
COCOメンバーになったみんなには、COCOアプリをダウンロードしてもらう。
これは、セーフティネットだ。
以前はLINE電話だったけど、それじゃ間に合わない。
COCOアプリはSOSボタンを押すと、自動的に半径5kmのCOCOメンバーの携帯に緊急音を鳴らして、援助を求める。
10分…
もしくは5分以内には助けが来るはずだ。
それまでは、逃げろ、としか言えないが…
まぁ、とにかくCOCOアプリは絶対にダウンロードしてくれよな。」
桜波が言い、次に白波さんにバトンタッチした。
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