61 レイド討伐
そして、束の間の休みを挟んで、俺たちの冥府レイド討伐は始まった…
その日、COCOに集合すると、それぞれの車に乗り込みダンジョン・マイナへ向かった。
ダンジョン・マイナはドワーフ系モンスターの巣窟だった。
蛇の皮のような模様の壁には、所々穴が空き、そこからドワーフや蛇が飛び出してくる。
俺たちは、最小限の動きで、現れるモンスターを倒していった。
地下5階で…
蛇の頭が絡み合った扉にぶち当たった。
ここが…
冥府レイドの間…
俺たちは息を呑む。
「さぁ、いよいよだ…
ダークドワーフに討伐を挑んだ配信者の途中の記録によると、ダークドワーフは斧を武器としている毒属性のボスだった。
覚醒体となり、さらに毒の力は増していると考えられるし、斧での攻撃も恐らく厳しいものとなるだろう。
みんな、生きてまたこの扉の前で会おう…
行くぞ!」
仙道さんが言い、彼を先頭に俺たちは続いていく。
扉が不気味に軋みながら開き、中には覚醒体と化したダークドワーフがいた。
髭は触手と化し、身体のあちこちはただれており、脳の1/3は剥き出しに、眼光は黒く光っている。
毒を息として吐くそれは、まさに冥府レイドであった。
体長は2メートルを超えた冥府レイドは、ご挨拶とばかりに腰のナイフを俺たちに向かって投げた。
仙道さんがマドンナソードでそれらを全て弾いた。
「気をつけろ!
奴の攻撃には強力な毒属性がある!
食らったら一発アウトだと思え!」
俺たちは冥府レイドを囲み始める。
レイドは斧を振り上げて、奇声を発し、1人のメンバーに向かって突進した。
響いた叫び声は佐田さんのものだ。
佐田さんは肩から胸にかけて血走っている。
「ミア!
回復を!」
「はい!
…ダメです!
毒が回復出来ません!」
ミアが回復魔法を最大限放ちながら、そう声を上げた。
「くそっ!
ジョーカー!
サイコロ!
強い奴!」
「OK!☆
サイコロ、サイキョウ!
出た目は…
9(゜ω゜)!
マジカルマシンガン!」
ジョーカーはマジカルマシンガンをぶっ放つ。
射撃音が響き渡り、レイドに穴が空いていく。
が…
レイドはそれでも攻撃の手を緩めない。
斧を頭上で三振りすると、三浦君に向かって投げつけた。
斧は三浦君の腹部に命中した。
血を吐いて倒れる三浦君。
「クソぉぉぉぉぉぉぉ!」
俺はマドンナソードでレイドを突く。
レイドは手に戻した斧で俺の剣を弾き飛ばした。
やばい…!
と思ったその時、ゾードが背後から斬りかかった。
「衛輔さん!
下がってください!」
ゾードがレイドと剣と斧を打ち合う。
しかし、レイドの力はまだ衰えて居ない。
毒を撒き散らすせいで、多数の負傷者も出ているのだ。
響き渡る叫び声と悲鳴…
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