36 Fランクに
うーん、まぁ、すごいよな…
「私が手を下すまでも無いでしょう。
コカトリスはレベル60くらいまでしかありません。
あなた方で十分ですね。」
ゾードはクールにそう言った。
それからは、俺、ミア、風助が主に敵を倒していった。
そうして、とうとうダンジョン・ローザの最下層までを攻略し終え、俺たちはGランク最後のダンジョンを制覇したのだった。
帰り道、ギルドに向かい、Fランクに上がる手続きをした。
そして、ついでに依頼も取っておいた。
引き受けられる依頼の数は3つまでで、俺は最大値まで依頼を受けた。
そうして、スーパーマーケットに寄ってミアが食材を買い、俺たちは屋敷に戻った。
ゾードはサウナに入ると言って(屋敷にある)、どこかに消えたし、ジョーカーはゲームに夢中、ミアはミステリー小説を読むと言って居た。
俺は唯一の趣味兼仕事である、動画配信をする事に。
動画を編集してアップすると、すぐにコメントが来た。
なんだか、今回のコメントは偏っているようだ。
maimai「ゾード様…悶絶…♡」
サラダ「ゾードかっこいくない!?」
みー「ゾード君…好き…」
◯◯◯「やばいイケメンキターーー!」
6/5「何なの!よろず♾️、顔面偏差値高く無い!?」
真奈「リーダー・ツキノ以外はねw」
k「いや、リーダーも悪く無いよ。」
などなど、主に女性の新規チャンネル登録者が増えており、圧倒的にゾードの影響だと考えられる。
はぁぁぁあ…
そりゃ、ヴァンパイアだもんなぁぁ。
かっこいいに決まってる…
少しの僻み混じりに、俺は配信を終えた。
ミアが夕飯を作り終えたので、みんなで食卓についた。
今日は照り焼きマヨネーズピザと、ミネストローネ、それからサラダだ。
どれも美味しそうだ。
「ふむふむ。
照り焼きというのですね。
このあまじょっぱいソースが照り焼きソースですか。
悪くありませんね。
あ、私の赤ワインはロマネコンティでお願いしますよ。」
ゾードが偉そうに言う。
お前はメルローでも飲んどけっ!
と、思わず心の中で突っ込んでしまった…
「ところで、ダンジョンには変異体が出ませんでしたか?」
ゾードは言った。
あれ?
俺、変異体の事話したっけ?
「出たよ。
ジョーカーとミアが討伐チームになってさ。
0011ログドっていうコードネームの変異体を倒したよな?
でも、どうして変異体の事を知ってるんだ?」
俺は尋ねた。
「やはり、出ましたか…
いえ、こっちの話。
では、そろそろ特訓を始めないといけないでしょうね。」
「特訓?」
「そうです。
あなた方はまだまだ弱い。
私が直々に指南します。
明日から覚悟しておいてください。」
ゾードは言ってワインの残りを飲んだ。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
応援の☆評価やブックマーク、リアクション、感想もらえると嬉しいです!