35 氷のヴァンパイア
それから、Gランク最後のダンジョン・ローザで荒稼ぎする日々が続いた。
ローザでは中々高額なドロップアイテムが手に入り、1日の稼ぎは500万円を超えた。
それに、大和ダンジョン委員会からの給与と、動画配信の収入も計算に入れて…
2週間後…
目標額の1億2000万円に到達した。
俺は異世界ネットショップを開いた。
そして、迷わず氷のヴァンパイア・ゾードを召喚したのだ。
リビングに氷の塊が床から突き抜け、その中に1人の美青年が目を閉じて入っている。
彼はゆっくりと目を開くと、氷が粉々に割れた。
中から現れた美貌の男は…
「あなたが私の主人ですね?
私は氷のヴァンパイア、ゾード。
よろしくお見知りおきください。」
「よろしく、ゾード!
俺は月野衛輔だ!」
「よろしくお願いします、ゾードさん!
エルフのミアです!」
ミアも言う。
「よろー(^_^)v
魔術師ジョーカー☆」
ジョーカーも挨拶する。
「早速ですが、私のコーヒーはブラック、豆はケットシードコーヒー豆しか受け付けません。
それから、お風呂は一番最初に、1時間ほどかかります。
入浴剤はアロマソルトを。
ご飯時には、朝は紅茶、夜は赤ワインを付けてください。
それから…」
「ちょ、ちょっと待てー!
お風呂1時間て、お前は女子か!
じゃなくて、注文が多過ぎるぞ!」
俺は言う。
「仕方ないでしょう?
私はヴァンパイア貴族の生まれですからね。
そうやって育てられてきたのです。
あ、好物はバジル系の料理です。
ハンドクリームありませんか?
手が乾燥しましたよ。
なんなら、ハンドパックもあるとなお良いですが…
私はこの美しさだけで5000年生きてきたのですからね。」
ゾードは言う。
かなり美容に気を使っているらしい。
また、変な奴がやってきたなぁ。
俺の第一番目の感想だった。
「と、とにかく、実力を証明してもらう!」
「ふん。
私のレベルを知ってますか?
月野さん?」
「いや…
500くらい?」
「ふん、1800ですよ。」
「ま、ま、まじか…」
俺は素直に驚いた。
「とにかくお風呂入ってきます。
ミアさん、沸いてます?」
「え、あ、はい!
今沸かします!」
そんな訳で、氷のヴァンパイアが仲間になったのだった。
わがまま放題の氷のヴァンパイア・ゾードを連れて、次の日ダンジョン・ローザに向かった。
レベル1800とはいえ、やはり確かめなくてはならない。
「コカトリスぅ?
私にコカトリスを倒せって言ってますぅ?」
ゾードはかなりバカにした様子でそう言った。
「さぞかしすごい技が見れるんだろうな。
とにかくやってくれ。」
俺は冷たく言う。
「絶対零度…」
ゾードがそう言うと、コカトリス達は一斉に凍りつき、氷と共に砕け散った。
ゾードは指一本も動かして居ない。
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