33 衝撃の事実
そう言われて、俺はハッとした。
「確かにそう言われれば…」
「対戦スペースの管理は大和ダンジョン委員会がやっている。
匂うんだよ。
きな臭い匂いが。
大和ダンジョン委員会は何かを俺たちダイバーに、いや、公認ダイバーにさえ隠している。
そして…
こんなメールが大和ダンジョン委員会からとある区に向かって発信されている。」
「?
どんなメールなんですか?」
「内容を簡単に言うとこうだ。
『レベル1のダイバーを倒した時のエネルギーを1とした時、レベル100のダイバーを倒した時のエネルギーは10となる。
さらには、変異体を倒した時のエネルギーは20である。』
とな。」
「ダイバーを倒した時のエネルギー…!?
つまり、ダイバーを倒すって事は…
ダイバーを殺すって事ですか!?」
「そうだ。
つまり、大和ダンジョン委員会はダイバーを殺す事を暗に奨励しているとも見られる文章だ。
そう思わないか?」
「そ、そ、それは…
でも、その文章だけでは…」
「確かに、ツキノ君の言う通り、断定はできない。
ただ、なんだか大和ダンジョン委員会は胡散臭い。
それは間違い無いだろう?」
白波さんが言う。
「…それは…
確かに…」
俺はショックだった。
信頼していた大和ダンジョン委員会が、ダイバー殺しを奨励している!?
そんなバカな!
「そもそも、エネルギーって何なんですか?
魔人◯ウでも蘇えらせる、とか?」
俺はヤケクソの冗談まじりにそう言った。
「さぁな、そこまでは俺たちもまだ掴んでいない。
ただ…
大和ダンジョン委員会をあまり信用し過ぎるな、と言う事さ。」
「………」
俺は何とも言えなかった。
「まぁ、ゆっくり考えてみるといいよ。
何か情報があれば教えてね。
ここは、公認ダイバー同士で協力しあおう。」
「あの…
そのメールが発信された先は…?」
「あぁ、東月区のどこかだ。
それ以上は本当に突き止められていない。」
東月区…
「じゃあ、僕たちはまだやる事があるから、これで。」
白波さんが言い、コーヒーを片付けて去っていった。
「ご主人、ダイジョブ?(・・;)」
ジョーカーが心配して言う。
「あ、あぁ、とにかく俺たちも屋敷に帰ろう。」
そして、屋敷に戻りミアが用意したレモンティーとクッキーで一息ついた。
「うーーーん!
わっかんねーーー!!!
大和ダンジョン委員会はダイバーの味方じゃ無かったのかよ!!!」
「衛輔様、落ち着いてください。
これからは、少し距離を取って大和ダンジョン委員会と付き合った方がいいと思います。
それだけの事ですから。
今はまだ…」
ミアがフォローする。
「同感(^^)v」
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