1 職探し
俺の名前は月野衛輔。
最近の不況で職を失ったばかりだ。
何かいい職は無いか?と求人のフリーペーパーをめくっていると…
ダンジョンダイバーの広告が目に入った。
ダンジョン…ダイバー…か…
ここ、月都市は大和の国の中心であり、32区に分かれている。
近年、突如として、月都にダンジョンが現れた。
その数31。
最初こそ、ダンジョンの発生に手をこまねいて見て居た大和政府だったが、ダンジョンの中には、豊富な資源(魔ガス、魔油)があると分かった頃から、急速にダンジョンダイバーの募集が進められているのだ。
ダンジョンダイバーは配信する事やダンジョンの宝を売る事で生計を立てている。
もちろん、魔ガスや魔油を個人的に流用するのは、厳禁だが、それ以外は割と許されているようだ。
「うーん、ダンジョンダイバーかぁ。
儲かるのかな?」
確か、美少女ダンジョンダイバーは結構弱くても儲かるイメージだけど、男となると…
やっぱり強くなくちゃダメだよなぁ…?
俺にそんな適性があるのかどうか…?
しかし、他にすぐに出来そうなアルバイトも職も無さそうなので、とりあえずダイバーの資格だけ取る事にした。
ダイバーの資格は大和ダンジョン委員会によって付与される。
大和ダンジョン委員会は、ダンジョン配信や探索についてかなりの権限を持つとされる組織だ。
大和ダンジョン委員会は月都市の中心にあり、俺はまずそこへ向かった。
「こんにちは。
ようこそ、大和ダンジョン委員会へ。
今日のご用件は何ですか?」
「あのぅ、ダンジョンダイバーの資格を取りたいんだけど…」
「はい、ダンジョンダイバー希望の方ですね。
では、今から10分後に初心者講座がありますので、そちらを受けて下さい。
そうすると、ダンジョンダイバーの仮資格が取れます。
そして、ダンジョンに潜っていただき、スキルを手に入れた事を証明して、本資格となります。」
受付の女性は言った。
「分かりました。」
どうやら、2段階の資格認定があるようだ。
俺は初心者講座に向かった。
「こんにちは。
今日担当させていただく、大和ダンジョン委員会の佐藤と申します。
よろしく、どうぞ。
では、テキストの1ページをお開きください。」
スーツを着た特徴の無い男性がそう言って1時間弱講義した。
内容はほとんど聞いてない。
まぁ、ダンジョンの色々って所かな?
そして、俺は仮資格のバッチを受け取ると、家に帰った。
買ってきた唐揚げ弁当と缶ビールで一杯やる。
食べ&飲みながら、俺は初心者講座で貰ったダンジョン地図に目を落とし、最初に行くダンジョンを決める。
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